ガリアルディーニとヴェッラッティのコンビ成立は今後を大きく左右。
最後のポイントは、各ポジションにおける序列の変化だ。
GKについてはすでに触れた通り。CBはバルザーリ、ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニ(今回は故障で招集外)というユーベ・トリオが安泰で、ベテランのアストーリと若手のロマニョーリとルガーニが支えるという構図になっている。この若い2人に加えて、今シーズンのアタランタで頭角を現わし、1月にユーベが保有権を買い取ったマッティア・カルダーラ(今回はU-21代表に招集)も、次代のレギュラー候補だ。
SB/WBは左右とも絶対的なレギュラーが不在。3バックならば攻撃的なキャラクターが強いザッパコスタ(右)、スピナッツォーラ(左)、4バックならばより安定感のあるダルミアンとデ・シリオ(いずれも左右両サイドに対応)が起用されることになるだろう。今回は故障で招集外だが、アレッサンドロ・フロレンツィ(ローマ)も本来ならばSB、WBの双方でレギュラー候補に入ってくる。
序列に変化がありそうなのは中盤。今シーズン前半戦にアタランタで頭角を現わし、冬に移籍したインテルでも不動のレギュラーとして2セントラルMFの一角を占めているガリアルディーニが、おそらく代表でもスタメンに抜擢されそうだ。
現アッズーリのMFではクオリティー、経験値ともに最も高いレベルにあり、このところコンスタントに10番を背負っているヴェッラッティは、これまで2セントラルの一角では機能しにくいと見られてきた。絶対的なレギュラーの座を確立するに至っていないのもそのためだ。ガリアルディーニとのコンビが成立し、機能するかどうかは、今後数年間のイタリア代表を占ううえでも極めて重要なテーマになってくる。
今回の招集で意外だったのは、2010年の南アフリカ・ワールドカップ以来、アッズーリの中盤を支えてきたクラウディオ・マルキージオ(ユベントス)がリストから外れたこと。故障明けでコンディションが万全ではないという事情もあるにせよ、2セントラルMFのシステムでは今回招集された4人と比べて、やや見劣りするという評価なのかもしれない。
エステルノはSB/WBと並ぶ激戦区。右はカンドレーバが一歩リードしているが、左はベルナルデスキ、サンソーネ、インシーニェがまったく横並びと言っていい状況だ。ナポリでは4-3-3の左ウイングとして不動の地位を築いているインシーニェも、代表ではまだヴェントゥーラ監督を説得するだけのパフォーマンスを見せていない。ポリターノ、ヴェルディの招集も、選択肢を広げたいという指揮官の欲求の表われだ。
CFはヴェントゥーラ監督が指揮した昨シーズンのトリノで2トップを組んだベロッティ、インモービレがレギュラー候補だ。ナポリでCFとして機能せずに失格の烙印を押されながら、冬に移籍したサウサンプトンで爆発しているガッビアディーニの招集が話題になったが、残念ながら3月19日のプレミアリーグで故障。代役として21歳のアンドレア・ペターニャ(アタランタ)が初のA代表入りを勝ち取っている。
文:片野道郎
【著者プロフィール】
1962年生まれ、宮城県仙台市出身。1995年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中だ。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させている。『ワールドサッカーダイジェスト』誌では現役監督とのコラボレーションによる戦術解説や選手分析が好評を博す。ジョバンニ・ビオ氏との共著『元ACミラン専門コーチのセットプレー最先端理論』が2017年2月に刊行された。
GKについてはすでに触れた通り。CBはバルザーリ、ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニ(今回は故障で招集外)というユーベ・トリオが安泰で、ベテランのアストーリと若手のロマニョーリとルガーニが支えるという構図になっている。この若い2人に加えて、今シーズンのアタランタで頭角を現わし、1月にユーベが保有権を買い取ったマッティア・カルダーラ(今回はU-21代表に招集)も、次代のレギュラー候補だ。
SB/WBは左右とも絶対的なレギュラーが不在。3バックならば攻撃的なキャラクターが強いザッパコスタ(右)、スピナッツォーラ(左)、4バックならばより安定感のあるダルミアンとデ・シリオ(いずれも左右両サイドに対応)が起用されることになるだろう。今回は故障で招集外だが、アレッサンドロ・フロレンツィ(ローマ)も本来ならばSB、WBの双方でレギュラー候補に入ってくる。
序列に変化がありそうなのは中盤。今シーズン前半戦にアタランタで頭角を現わし、冬に移籍したインテルでも不動のレギュラーとして2セントラルMFの一角を占めているガリアルディーニが、おそらく代表でもスタメンに抜擢されそうだ。
現アッズーリのMFではクオリティー、経験値ともに最も高いレベルにあり、このところコンスタントに10番を背負っているヴェッラッティは、これまで2セントラルの一角では機能しにくいと見られてきた。絶対的なレギュラーの座を確立するに至っていないのもそのためだ。ガリアルディーニとのコンビが成立し、機能するかどうかは、今後数年間のイタリア代表を占ううえでも極めて重要なテーマになってくる。
今回の招集で意外だったのは、2010年の南アフリカ・ワールドカップ以来、アッズーリの中盤を支えてきたクラウディオ・マルキージオ(ユベントス)がリストから外れたこと。故障明けでコンディションが万全ではないという事情もあるにせよ、2セントラルMFのシステムでは今回招集された4人と比べて、やや見劣りするという評価なのかもしれない。
エステルノはSB/WBと並ぶ激戦区。右はカンドレーバが一歩リードしているが、左はベルナルデスキ、サンソーネ、インシーニェがまったく横並びと言っていい状況だ。ナポリでは4-3-3の左ウイングとして不動の地位を築いているインシーニェも、代表ではまだヴェントゥーラ監督を説得するだけのパフォーマンスを見せていない。ポリターノ、ヴェルディの招集も、選択肢を広げたいという指揮官の欲求の表われだ。
CFはヴェントゥーラ監督が指揮した昨シーズンのトリノで2トップを組んだベロッティ、インモービレがレギュラー候補だ。ナポリでCFとして機能せずに失格の烙印を押されながら、冬に移籍したサウサンプトンで爆発しているガッビアディーニの招集が話題になったが、残念ながら3月19日のプレミアリーグで故障。代役として21歳のアンドレア・ペターニャ(アタランタ)が初のA代表入りを勝ち取っている。
文:片野道郎
【著者プロフィール】
1962年生まれ、宮城県仙台市出身。1995年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中だ。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させている。『ワールドサッカーダイジェスト』誌では現役監督とのコラボレーションによる戦術解説や選手分析が好評を博す。ジョバンニ・ビオ氏との共著『元ACミラン専門コーチのセットプレー最先端理論』が2017年2月に刊行された。