サッカー人生のベースになったブラジル戦。あの経験がなかったら今の川口能活はない。
■あの勝利は決して“奇跡”ではない
この試合で、ブラジルが放ったシュートは28本で、日本のシュートはたったの4本でした。しかし、こうした試合展開になることは、僕たちは予想していたことでしたから、そんなに驚く数字ではありませんでした。
この勝利は“マイアミの奇跡”と呼ばれていますが、今振り返ってみても僕たちにとっては決して奇跡ではないと思っています。もちろん勝つ可能性は本当に1パーセント程度しかなかったかもしれませんが、それを実現できたのはしっかり勝つための準備をした結果でしょう。
スカウティングスタッフの情報をもとにブラジルの長所と短所をあぶり出し、それに対する対策を立てて、選手たちはコンディションを整えてピッチ上で、ブラジルに立ち向かってそれぞれのタスクを全うしたのです。
ゴールが生まれた時、ブラジルにミスが生まれたのも、予想していたこと。ブラジルに勝ったのは、偶然ではなく、徹底した準備によるものであり、緻密な戦略の結果だと思っています。すべては準備で決まる、と言っても過言ではありません。
第2戦目のナイジェリア戦、第3戦目のハンガリー戦でも、ブラジル戦のような緻密な分析と徹底した準備ができていたら、もしかしたらグループリーグを突破できていたかもしれません。
■リオの舞台では“一体感”を見せてほしい
とはいえ、僕にとって、このブラジル戦で得た自信は大きいものでした。自分自身を信じることから始めることの大切さを知り、戦術面・精神面での準備の大切さを学ぶことができました。いかに隙を見せず、相手の隙を突くか。チームの一体感を大切にしながら、しっかりと集中して本番に臨めば、かならず良い結果が生まれると信じることができました。
このブラジル戦で得たものは、その後の僕のサッカー人生のベースになっています。あの経験がなかったら、今の川口能活はなかったと断言できます。
あれから20年。手倉森監督のチームがリオ・オリンピックへ臨みます。メダルを狙えるほど、“一体感”のあるチームだと思います。自分たちの力を信じて、あらゆる準備をしておけば、かならず結果がついてくるでしょう。
いかに隙を見せず、相手の隙を突くか――。アジア最終予選で見せていた粘り強い戦い方は見ていて本当に素晴らしかったと思います。リオの舞台でも同じように“一体感”のある戦いを見せてくれることを願っています。そして、僕たちが成し遂げられなかったメダルをぜひ持ち帰ってきてほしいと思います。
■アトランタオリンピック1996グループリーグ第1戦
1996年7月22日 アメリカ/マイアミ
U-23日本代表 1-0 U-23ブラジル代表
[U-23日本代表]
スターティングメンバー●GK1 川口能活/DF13 松田直樹、5 田中誠、3 鈴木秀人/MF17路木龍次、6 服部年宏(87分、8伊東輝悦、10 遠藤彰弘(→75分2白井博幸)、7前園真聖/FW 14 中田英寿(→82分12上村健一)、9城彰二(→86分16松原良香)
サブメンバー●GK19 下田崇/MF11 森岡茂、4廣長優志、15 秋葉忠宏
監督●西野朗
[U-23ブラジル代表]
スターティングメンバー●GK1 ジダ/DF2 ゼ・マリア、3アウダイール、4ロナウド、6ロベルト・カルロス/MF5フラビオ・コンセイソン、8アマラウ(→HT15ゼ・エリアス)、9ジュニーニョ、10リバウド/FW7ベベット、11サヴィオ(→64分18ロナウジーニョ)
サブメンバー●GK12ダンルレイ/DF14アンドレ・ルイス・モレイラ/MF13ナルシーゾ・ドス・サントス、16マルセリーニョ・パウリスタ/FW17ルイゾン
監督●マリオ・ザガロ
■川口能活プロフィール
かわぐち・よしかつ/1975年8月15日生まれ、静岡県出身。180センチ・77キロ。清水商高卒業後、横浜入り。その後、ポーツマス(イングランド)、ノアシャラン(デンマーク)、磐田、岐阜を経て、現在J3の相模原でプレー。4度のワールドカップ出場を誇る日本を代表するレジェンド。プロ23年目。
☆SC相模原オフィシャルHPはこちら
→http://www.scsagamihara.com/
☆川口能活選手・直近出場予定ホームゲーム
J3リーグ第19節 vs福島ユナイテッドFC
7月31日(日)15:00キックオフ@相模原ギオンスタジアム
この試合で、ブラジルが放ったシュートは28本で、日本のシュートはたったの4本でした。しかし、こうした試合展開になることは、僕たちは予想していたことでしたから、そんなに驚く数字ではありませんでした。
この勝利は“マイアミの奇跡”と呼ばれていますが、今振り返ってみても僕たちにとっては決して奇跡ではないと思っています。もちろん勝つ可能性は本当に1パーセント程度しかなかったかもしれませんが、それを実現できたのはしっかり勝つための準備をした結果でしょう。
スカウティングスタッフの情報をもとにブラジルの長所と短所をあぶり出し、それに対する対策を立てて、選手たちはコンディションを整えてピッチ上で、ブラジルに立ち向かってそれぞれのタスクを全うしたのです。
ゴールが生まれた時、ブラジルにミスが生まれたのも、予想していたこと。ブラジルに勝ったのは、偶然ではなく、徹底した準備によるものであり、緻密な戦略の結果だと思っています。すべては準備で決まる、と言っても過言ではありません。
第2戦目のナイジェリア戦、第3戦目のハンガリー戦でも、ブラジル戦のような緻密な分析と徹底した準備ができていたら、もしかしたらグループリーグを突破できていたかもしれません。
■リオの舞台では“一体感”を見せてほしい
とはいえ、僕にとって、このブラジル戦で得た自信は大きいものでした。自分自身を信じることから始めることの大切さを知り、戦術面・精神面での準備の大切さを学ぶことができました。いかに隙を見せず、相手の隙を突くか。チームの一体感を大切にしながら、しっかりと集中して本番に臨めば、かならず良い結果が生まれると信じることができました。
このブラジル戦で得たものは、その後の僕のサッカー人生のベースになっています。あの経験がなかったら、今の川口能活はなかったと断言できます。
あれから20年。手倉森監督のチームがリオ・オリンピックへ臨みます。メダルを狙えるほど、“一体感”のあるチームだと思います。自分たちの力を信じて、あらゆる準備をしておけば、かならず結果がついてくるでしょう。
いかに隙を見せず、相手の隙を突くか――。アジア最終予選で見せていた粘り強い戦い方は見ていて本当に素晴らしかったと思います。リオの舞台でも同じように“一体感”のある戦いを見せてくれることを願っています。そして、僕たちが成し遂げられなかったメダルをぜひ持ち帰ってきてほしいと思います。
■アトランタオリンピック1996グループリーグ第1戦
1996年7月22日 アメリカ/マイアミ
U-23日本代表 1-0 U-23ブラジル代表
[U-23日本代表]
スターティングメンバー●GK1 川口能活/DF13 松田直樹、5 田中誠、3 鈴木秀人/MF17路木龍次、6 服部年宏(87分、8伊東輝悦、10 遠藤彰弘(→75分2白井博幸)、7前園真聖/FW 14 中田英寿(→82分12上村健一)、9城彰二(→86分16松原良香)
サブメンバー●GK19 下田崇/MF11 森岡茂、4廣長優志、15 秋葉忠宏
監督●西野朗
[U-23ブラジル代表]
スターティングメンバー●GK1 ジダ/DF2 ゼ・マリア、3アウダイール、4ロナウド、6ロベルト・カルロス/MF5フラビオ・コンセイソン、8アマラウ(→HT15ゼ・エリアス)、9ジュニーニョ、10リバウド/FW7ベベット、11サヴィオ(→64分18ロナウジーニョ)
サブメンバー●GK12ダンルレイ/DF14アンドレ・ルイス・モレイラ/MF13ナルシーゾ・ドス・サントス、16マルセリーニョ・パウリスタ/FW17ルイゾン
監督●マリオ・ザガロ
■川口能活プロフィール
かわぐち・よしかつ/1975年8月15日生まれ、静岡県出身。180センチ・77キロ。清水商高卒業後、横浜入り。その後、ポーツマス(イングランド)、ノアシャラン(デンマーク)、磐田、岐阜を経て、現在J3の相模原でプレー。4度のワールドカップ出場を誇る日本を代表するレジェンド。プロ23年目。
☆SC相模原オフィシャルHPはこちら
→http://www.scsagamihara.com/
☆川口能活選手・直近出場予定ホームゲーム
J3リーグ第19節 vs福島ユナイテッドFC
7月31日(日)15:00キックオフ@相模原ギオンスタジアム