川口能活クロニクル――20年前のブラジル戦勝利“マイアミの奇跡”は情報分析の賜物

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年07月30日

まさに狙いどおりのプレーで決勝点を奪う。

ブラジルの背後を突いた攻撃で伊東が先制ゴール。その後もブラジルの猛攻が続いたが凌ぎ切り、世界を驚かせる1勝を挙げた。(C) SOCCER DIGEST

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■狙いどおりのゴールが生まれる
 
 スタジアムはブラジルサポーターが8割くらいを占めるなか、試合は予想どおり、ブラジルにボールを支配される展開となりました。
 
 日本は城彰二の1トップに、ヒデ(中田英寿)とゾノ(前園真聖)さんが後方からフォローする、いわゆる1トップ2シャドーにした、アジア最終予選から慣れ親しんだ3-6-1のシステムを採用しました。ブラジルは2ボランチを置いた伝統の4-4-2のシステムでした。
 
 僕たちは作戦どおり、スピードがあるFWベベットにはDFヒデ(鈴木秀人)がマークにつき、サヴィオのマークは空中戦も強いDFマツ(松田直樹)が対応。司令塔のジュニーニョには、左サイドバックが本職である服部年宏のスピードを買って密着マークさせることにしました。
 
 サイドの守備力を高めるため、路木(龍次)さんをスタメンに起用して左ウイングバックへ。攻め込まれている時間帯が長かったので、ほとんど5バック状態で戦っていましたが、それでも単純にクリアするだけでなく、しっかりとパスをつないで最終ラインを押し上げていました。必死にブラジルに対抗していたのを覚えています。
 
 ゴールポストが味方してくれるなど、運も味方にした日本は0対0のままハーフタイムを迎えることができました。ブラジルの大量得点を予想していたサポーターからはため息が漏れるなど、スタジアムの雰囲気も変わってきました。後半になってもスコアはなかなか動かず。ブラジルの焦りが見え始めるなか、ついに“あの瞬間”を迎えたのでした。
 
 後半27分、左サイドにいたウイングバックの路木(龍次)さんが、ブラジルのディフェンスラインとGKの間のスペースを目掛け、狙い澄ましたクロスボールを放り込みました。そのボールを追って、FW城(彰二)がゴール前に走り込んだところ、カバーリングに入ったCBアウダイールとGKジダが激突。こぼれたボールをゴール前に走り込んでいたテル(伊東輝悦)さんが押し込んだのです。ブラジルの守備陣のミスを生んだ、まさに狙いどおりのプレーでした。
 
 その後、焦るブラジルの猛攻を凌ぐことができましたが、2分30秒ほどのロスタイムは本当に長く感じました。
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