より大きなファイティングスピリット、戦術的規律、整った組織が必要だ。
──過去に率いたチームで、自身のベストチームを挙げるとすると?
「繰り返すようだが、私はこれまでに率いた多くのチームでなんらかの成果を挙げてきた。最近では、どうやってあそこまで上手くアルジェリアをまとめ上げたのか、いかにしてあれほどドイツを苦しめることができたのか、と訊かれることが多い。
そのたびに、私はこう答えている。『それぞれのチームに、それぞれの良さがあるのだ』と。相手が強ければ強いほど、自分たちの最大限の力を発揮しなければならないし、あるいは持てる力以上のものを出そうとしなければならない。
今の君の質問に答えるならば、それはパリSG(03~05年)となる。最高のプロジェクトに沿った、素晴らしいチームだった。それから、コートジボワール代表(08~10年)は非常に優れた個の力を持つチームだったが、集団としてはいくつもの欠陥があった。今ならそれを言っても構わないはずだから言うが、当時のコートジボワール代表にはチームとしてのタフネスと団結力が足りなかった」
──日本の世界における立ち位置を考えると、あなたがアルジェリア代表を率いて昨夏のブラジル・ワールドカップでドイツ代表を苦しめた試合が、ひとつの理想形として浮かびます。
「どんなチームでも、常に高い目標を持つべきだ。日本は成功を望んでいるし、私としてはアルジェリア代表でやったことを、ここでも繰り返したいと思っている。強豪ではないチームには、より大きなファイティングスピリット、より大きな戦術的規律、より整った組織が必要となる。それ以外に、トップチームの仲間入りができる方法はない」
──日本代表がロシア・ワールドカップで、成功を掴むためのポイントはなんでしょうか?
「最初の目標は、ロシア・ワールドカップに出場することだ。それを決めてから、次の目標を設定する。グループリーグ突破、あるいはそれよりも先に照準を定める。そして、そうした目標に近づくには、チームのパフォーマンスのレベルを上げていくしかない。
我々はそれに挑んでいくが、そのためには時間が必要だ。もちろん、代表監督が限られた時間のなかで仕事をしなければならないことは、十分に理解している。試合の前には4、5日ほどしかトレーニングの時間が与えられず、選手たちはクラブでの疲れを引きずって代表に合流することが多い。
それでも、私たちは最高のチームにすべく、ピッチ内外で全力を挙げて取り組み、個々の質と集団の質を最大限に引き出し、まずはロシア・ワールドカップへの切符を手にしなければならない。そして、本番ではポジティブなサプライズを起こしたい」
取材・文:ウラジミール・ノバク
翻訳:井川洋一
――◆――◆――
※この内容を含めたハリルホジッチ新監督の独占インタビュー全文は、3月26日(木)発売の『サッカーダイジェスト・4月9日号』に掲載されます。
「繰り返すようだが、私はこれまでに率いた多くのチームでなんらかの成果を挙げてきた。最近では、どうやってあそこまで上手くアルジェリアをまとめ上げたのか、いかにしてあれほどドイツを苦しめることができたのか、と訊かれることが多い。
そのたびに、私はこう答えている。『それぞれのチームに、それぞれの良さがあるのだ』と。相手が強ければ強いほど、自分たちの最大限の力を発揮しなければならないし、あるいは持てる力以上のものを出そうとしなければならない。
今の君の質問に答えるならば、それはパリSG(03~05年)となる。最高のプロジェクトに沿った、素晴らしいチームだった。それから、コートジボワール代表(08~10年)は非常に優れた個の力を持つチームだったが、集団としてはいくつもの欠陥があった。今ならそれを言っても構わないはずだから言うが、当時のコートジボワール代表にはチームとしてのタフネスと団結力が足りなかった」
──日本の世界における立ち位置を考えると、あなたがアルジェリア代表を率いて昨夏のブラジル・ワールドカップでドイツ代表を苦しめた試合が、ひとつの理想形として浮かびます。
「どんなチームでも、常に高い目標を持つべきだ。日本は成功を望んでいるし、私としてはアルジェリア代表でやったことを、ここでも繰り返したいと思っている。強豪ではないチームには、より大きなファイティングスピリット、より大きな戦術的規律、より整った組織が必要となる。それ以外に、トップチームの仲間入りができる方法はない」
──日本代表がロシア・ワールドカップで、成功を掴むためのポイントはなんでしょうか?
「最初の目標は、ロシア・ワールドカップに出場することだ。それを決めてから、次の目標を設定する。グループリーグ突破、あるいはそれよりも先に照準を定める。そして、そうした目標に近づくには、チームのパフォーマンスのレベルを上げていくしかない。
我々はそれに挑んでいくが、そのためには時間が必要だ。もちろん、代表監督が限られた時間のなかで仕事をしなければならないことは、十分に理解している。試合の前には4、5日ほどしかトレーニングの時間が与えられず、選手たちはクラブでの疲れを引きずって代表に合流することが多い。
それでも、私たちは最高のチームにすべく、ピッチ内外で全力を挙げて取り組み、個々の質と集団の質を最大限に引き出し、まずはロシア・ワールドカップへの切符を手にしなければならない。そして、本番ではポジティブなサプライズを起こしたい」
取材・文:ウラジミール・ノバク
翻訳:井川洋一
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※この内容を含めたハリルホジッチ新監督の独占インタビュー全文は、3月26日(木)発売の『サッカーダイジェスト・4月9日号』に掲載されます。