【セルジオ越後の天国と地獄】アギーレは特別ではない。過度の期待は禁物だ

カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年08月14日

国内合宿ばかりのU-21代表。強化は大丈夫?

合宿をこなすだけで実戦を戦わないU-21代表の強化にも、セルジオ氏は苦言を呈す。 (C) SOCCER DIGEST

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 アギーレ監督の就任会見があった同じ8月11日、U-21日本代表の福岡合宿が始まった。
 
 このチームは2年後のリオデジャネイロ五輪の出場を目指すオリンピック代表だ。9月にはアジア大会に出場する予定で、チームの立ち上げは今年1月にオマーンで開催されたU-22アジア選手権だった。それからすでに7か月が経っているけど、これまで3日間の国内合宿を二度行なっただけで、強化マッチを1試合もこなしていない。これでは早く立ち上げた意味がないんじゃないかな。
 
 僕が危惧しているのは、オリンピックの予選方式が変わったことだ。これまでの予選は長期間かけてのホーム&アウェーだったから、予選を戦いながらメンバーを入れ替え、チーム作りを進めていく作業ができた。
 
 それが、今回は一か国での集中開催だ。一発勝負の趣が強くなった。しかも、ベスト4に入らなければ、オリンピックへは出場できない。ベスト8でイラクや韓国といった強敵と当たって敗れたら、出場権を逃してしまうんだ。だから、本番までなるべく多くの実戦をこなし、チームの強化に努めなければならないんだ。
 
 今年は9月、10月、11月にA代表の強化試合が6試合も組まれていて、すでにウルグアイ、ベネズエラ、ジャマイカ、ブラジルとの対戦が決まっている。同じくアジア大会に出場するなでしこジャパンも年内に強化マッチを3試合戦う。それなのに、なぜU-21代表の強化マッチがないのか。
 
 例えば、A代表の試合の前座として、あるいはその前日に、U-21代表の試合を組むという案があってもいい。A代表の強化も大事だけど、オリンピック代表世代が伸びなかったら、A代表の底上げは図れない。それはザックジャパンを見て、よく分かったはずだ。
 
 今年から始まったJ3にJリーグU-22選抜が参加している。でもこのチームは、所属クラブで出場機会を得られていない選手の寄せ集めに過ぎない。現に今回の福岡合宿(=アジア大会のメンバー候補)にはJリーグU-22選抜の常連はほとんどいない。
 
 もちろん、出場機会の少ない若手に実戦経験を積ませるのは大事だけど、U-21代表の強化には、対外試合や海外遠征が不可欠だ。それをしないことには、チーム力の向上は望めない。
 
 3大会続けて出場を逃しているU-20ワールドカップのように、このままではオリンピックへの出場も逃しかねないよ。
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