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ヴェルディはなぜ躍進できたのか…内田達也に訊いた「進化の理由とロティーナ改革の深層」

カテゴリ:Jリーグ

上岡真里江

2017年12月15日

そして芽生えた、ゴールへの貪欲な姿勢。

最終節の徳島戦で劇的な決勝点を挙げ、チームメイトの祝福を受ける。チームをプレーオフに導く殊勲弾となった。(C)SOCCER DIGEST

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 こんな風に“チーム”のことを考えられるようになった自分に、実は、一番驚いているという。
 
「いつぐらいからやろ? 正直、最初は、『自分が、自分が』ばっかりで、チームが上手くいってへんなぁと思っていても、『今日は自分が良かったから、まぁ良いや』と、思っていた部分もありました。でも、J1が見えてきた頃には、本気で『このチームで上がりたい』と思っていましたね」
 
“守り勝てる”ようになったチームの中軸として、プレーで、結果で、存在価値を証明し続けた。気づけば、周囲から「ウッチーのチーム」と謳われるようになっていた。「そういう風に言われてこなかったので、そう言ってもらえることはありがたいし、純粋にすごく嬉しいですけど、実際のところ、手応えはそこまで感じてなかった。なんで、もうちょっとはっきり言ってほしかったです」と、照れ笑いしながら謙遜する。それでも、「チームのみんながすごく頼ってくれてるので、やりがいを感じながらプレーできています」と話す。その充実感と責任感、自信があるからこそ、自然と“自分”から“チーム全体”へと意識の幅が広がったのだろう。プレーヤーとして、またひとりの人間としても、間違いなく器が大きくなった。
 
 もうひとつ、今後の進化のターニングポイントになるかもしれない重要な場面があった。
 
 リーグ戦最終節の徳島ヴォルティス戦。自らの決勝ゴールで、チームを初のプレーオフ進出に導いたゲームだ。シーズン開幕前から、内田は常に「攻撃面が課題。シュートを撃つこと、ゴール、アシストなど、直接得点に結びつくプレーができるようにならないと」と話していた。そのなかで、キャリア最多となる今季2点目を挙げた。しかも値千金で、J1昇格に望みをつなぐゴールへの興奮は、途轍もなく大きかった。「最後、点を取れる喜びを感じて、『ああいう仕事っていいな』と思いました」。これまでは、使ってもらうための義務感から、どうしても「点も取らなければ」という感覚だった。だが、これからは違う。自ら「取りたい」と思える、貪欲さが芽生えてきたのだ。
 
 プレーオフ進出が現実味を帯びるにつれ、多くの選手、関係者は揃って「内容よりも勝利」だと口にしはじめた。だが、「目先の勝ち負けよりも一試合ずつチャレンジし、成長していくことが大事」と、就任当初から首尾一貫して唱え、いっさいブレなかったスペインの名将の姿に、内田は強く感化された。
 
 ピッチに立つ楽しさを取り戻し、周りから信頼される誇り、試合を決定づけるゴールを取る喜びを噛み締めた。浪速育ちの名ボランチ、来季の変貌ぶりが非常に楽しみだ。
 
取材・文●上岡真里江(フリーライター)
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