エイバルは続く13節のアラベス戦にも勝利し、今シーズン初の連勝。一気に上昇気流に乗り、14節のエスパニョール戦にも３-１で勝利した。

　この３連勝でエイバルは17位から13位にジャンプアップ。招集外となった８節を除く全試合に出場中の乾は、そんななか個人でもさらなる成長をめざす。
 
「攻撃では、ベティス戦はみんな個々の能力をしっかり出せたし、ああいうサッカーができれば勝てると思うので、自分自身もあれ以上のものをこれからも出していければいい。やっぱり得点はしたいです。ただ昨シーズンと違うのは、いまのチーム状況的にそういうわがままなプレーよりもしっかり味方の選手を使うというか、誰が獲っても１点は１点なので、まずはチームの得点・勝利をめざしていきたいと思っています」
 
　そして12月９日に行なわれる15節、エイバルはアウェーでヘタフェと対戦する。もし柴崎岳が出場すれば、1929年に創設されたリーガ88年の歴史において、初となる日本人対決が実現する。

　４節のバルセロナ戦で強烈なボレーを叩き込んだ柴崎は、その試合中に左足中足骨を骨折し、その後手術。すでに練習には復帰しており、ギリギリではあるが試合に間にあう可能性はあると現地では報道されている。
 
　乾も柴崎の実力を「岳はずば抜けてうまいし、センスもすごいものを持っている」と高く評価している。
 
　改めて乾に、リーガで戦う日常について訊いた。

「毎日成長できていますし、この舞台でやれているのは本当に自分にとっていい経験。これからの人生で財産になると思うので、ムダにしないように一日一日、しっかり成長できるように頑張っていきたいです」
 
　スペインに来てからの約２年半で築き上げた仲間たちとの信頼関係と、地に足をつけてプレーすることで手に入れた成長。これからも乾貴士は、リーガでも代表でも進化を続けていく。