ハリル監督が改めて示したチーム作りのビジョン。ベテラン、スター選手も尊重しながら…

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェスト編集部

2017年09月03日

「豪州戦のスタメンは、最後のトレーニングの後、決断した」

W杯出場権が懸かった大一番に、ハリルホジッチ監督は井手口や浅野ら若手をスタメン起用。同監督は「最後のトレーニングの後、(スタメンを)決断した」と語った。写真:サッカーダイジェスト

画像を見る

――昨日のスタメンで行くとの決断はいつだったのか?

「この試合の前に行なわれたトレーニングセッションで戦術練習をしました。そのなかで試しました。まず、代表の活動がない期間に、コーチングスタッフがすべてのチームを視察して分析を行ないます。

 現場に足を運んだり、映像で見たり、選手たちの情報が分かります。チームの8割は出来上がっていたんです。しかし、中盤と前はまだ決まっていませんでした。例えば、20歳そこそこの選手がふたりいるとか。そこに全員が納得していなかったでしょう。若い選手がプレッシャーを恐れてしまう心配もありましたが、最後のトレーニングの後、決断しました。

 そして、個別でも、グループでも、ポジション別でも、たくさん説明しました。オーストラリアのメンバーを見た時に中盤の枚数を増やすと予想しました。1トップでしたが、ミッドフィルダー的な特徴を持ち、オフサイドぎりぎりで裏を狙う選手でした。そして、その後ろに4人いて、ポジションを入れ替えながらプレーしていました。

 ですので、試合直前にメンバーが出た後も選手たちから質問も出ました。どういうふうに前からプレッシャーをかけるのか、相手選手が中盤にボールをつけた場合、誰がそこにつくのか、あるいは逆サイドはどう見るのか、などなど試合直前にもたくさんの確認を行いました。

 我々が予測していた背の高い選手が入っていなかったので、マークの仕方も変えました。そのような細かいこともたくさんあり、その指示をすべて選手たちが実行してくれたことに驚いています。

 もちろん、自分たちがボールを持った時にも戦術があります。グラウンダーで早いボールスピードで、井手口や(山口)蛍は、クラブでやっていないプレーかもしれませんが、個人プレーでも見せてくれたし、ふたりとも良いシュートを持っていました。

 井手口はゴールを取りました。このような形で代表でプレーするのはほぼ初めてでした。長谷部も戦術的な役割をこなし、前線の選手たちもチームのために頑張りました。そういった姿を見ると、このチームはまだまだ進化する希望を感じます。もっとトレーニングをすればさらに良くなります。

 試合直前まで分からない部分もあったので、直前に話し合って決めた部分もあります。特にセットプレーは直前まで決まりませんでした。にも関わらず、すべて細かいこともできたのは、スタッフが一生懸命働いてくれたからです。

 コーチングスタッフ、特に日本人のスタッフにお願いして、若い選手にたくさん話をしてもらいました。ドクターやトレーナーの方々にも、声をかけてほしいとお願いしましたし、試合に出ていない経験を積んだ選手にも勇気づけてほしいとお願いしました。

 そのように全体で励まし合って進めました。田嶋会長もホテルに足を運んでくれて、言葉を掛けてくださいました。

 上手くいかなければ責任は私にあります。私もそれは受け入れなければいけない。全体で協力して結果を残せましたから、良かったと思いますし、私のビジョンを変えたくはありません。このような形で続けたいと思っています」
【関連記事】
「ショックで言葉にならない」豪州代表キャプテンが明かした、完敗劇の舞台裏
「完全に日本にハメられた」豪州代表の貴公子が振り返る“中盤の精神戦”
【セルジオ越後】山口蛍、今野、そして井手口…Jリーグ勢がW杯に導いた
「黄金時代をこの手に取り戻すんだ!」サウジ会長が代表チームに日本戦勝利を厳命
日本代表、井手口陽介のルーツを辿る~その才能はいかにして磨かれたのか(前編)

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ