長谷部誠はなぜ「ブンデスリーガで10年」生き残れたのか?

カテゴリ:海外日本人

中野吉之伴

2017年07月18日

自分の個性だけでは通用しなかった。しかし…。

コバチ監督(左)は長谷部(右)をリベロにコンバートし、チームと本人をさらに成長させた。(C)Getty Images

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 プレースタイルに関しては、徐々に変化してきた。元々はより攻撃的に自分から仕掛けたり、アクティブに動いたりするプレーが得意だった。しかし、その武器だけではドイツで生き残れなかった。ブンデスリーガには無数の猛者がいるからだ。世界レベルの一芸を持った選手とポジションを競い合うには、監督に「これは!」と認められる何かがなければならない。
 
 ヴォルフスブルク時代に中盤でのプレーを希望しながら、ポジションを獲得できなかったのは、ボール奪取力、縦への推進力、ゲームコントロール能力で飛び抜けたものがなかったから。しかしその後に経験を積み、試行錯誤を繰り返し、今では守備で的確な判断から相手の敵のオフェンスの芽を摘み、中盤の底や最終ラインでボールを落ち着け、左右に捌きながら相手を揺さぶり、タイミングよく前線へペースアップのパスを供給できる選手となったのだ。
 
「今は自分の中でもハイキャリア」と好調ぶりにとても手応えを掴んでいただけに、3月の負傷離脱は悔やんでも悔やみきれないだろう。一時はチャンピオンズリーグ出場権争い(4位以内)に絡んだフランクフルトとしても、リベロとして攻守の要になっていた長谷部を欠いて以降に調子をガタッと落とし、結局は11位に終わってしまった。
 
 だからこそ、新シーズンは年間を通してチームを引っ張る存在として大きな期待がかかっている。幸いにも怪我はすでに回復し、プレシーズンキャンプにも参加している。まずはコンディションをしっかりと整えて、またあの頼もしい姿をピッチ上で見せてほしい。
 
文:中野吉之伴

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(C)PUMA

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