欧州移籍市場は今や「ジャングル」に…ルール遵守はもはや「おとぎ話」だ!

カテゴリ:移籍情報

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2017年06月20日

ファン・ダイクの事例はイングランドだからこそ…。

このファン・ダイクに無断接触したとしてサウサンプトンはリバプールに激怒し、プレミアリーグに訴え出た。しかし、こうした例はイングランド以外ではもはや稀に。(C)

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 実際、放出を強いられたクラブがそれをマスコミに向かって愚痴ることはあっても、FIFAに対して移籍ルール違反で告発したという例はきわめて稀だ。イングランド以外で私の覚えている限りでは、ベンフィカ・リスボンが、契約下にあるCBルイゾンに直接接触したユベントスに対し、やめないとFIFAに告発するといって抗議したのが最後。もう3~4年前の話だ。
 
 保有権を持つクラブに対して、選手と直接交渉を行なってもいいかどうか、許可を求めることもないわけではない。イングランドではそうした形で、あるいは通知するという形で「礼を尽くす」ケースが比較的多く見られる。そのほうが紳士的でエレガントなやり方であることは間違いないし、もし告発された場合、FA(イングランド・サッカー協会)の罰則が厳しいという事情もあるだろう。
 
 今夏もサウサンプトンがDFフィルジル・ファン・ダイクに、リバプールが無断で接触したとしてプレミアリーグに訴え出て、この交渉を即座に潰してしまった。
 
 しかし、スペイン、イタリア、ポルトガルといった国々の移籍マーケットはもはや“ジャングル”と化している。事実上、あらゆることが起こりうる。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※『ワールドサッカーダイジェスト2017年5月4日号』より加筆・転載
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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