欧州移籍市場は今や「ジャングル」に…ルール遵守はもはや「おとぎ話」だ!

カテゴリ:移籍情報

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2017年06月20日

まずは選手から合意を引き出すのが常套化している。

ミランのファッソーネCEO(右)とドンナルンマやポグバを顧客に持つライオラ(左)。クラブ幹部と代理人は日常的に接触を持っている。(C)Getty Images,REUTERS/AFLO

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 クラブと代理人、仲介人は日常的に接触を持っている(ここでは、代理人は選手と直接契約しているエージェント、仲介人は特定の案件についてクラブと選手の間、あるいはクラブとクラブの間に入って交渉に携るエージェントを指す)。働きかけは必ずしもクラブの側から始まるとは限らない。代理人や仲介人がクラブに対して、「この選手を一度見てほしい」、「あの選手ならこの値段で買えるからお買い得だ」といった売り込みをかけることも日常茶飯事だ。
 
 こうした売り込みや打診が飛び交うなかで、本当に興味を持った選手に対して具体的なアプローチが始まる。クラブ同士のコンタクトから話が進むこともあるが、大半のケースでは、まず獲得の意思を持つクラブが選手サイドに接触を図るところからスタートする。
 
 ルール上、保有権を持つクラブの頭越しに選手と接触するのは禁じられているものの、それを律義に守っているクラブなどどこにも存在しない。現実問題として、いくらクラブ同士で話をまとめても選手が同意しなければ移籍は成立しないので、まず選手と金銭面で合意してからクラブに話を持ち込むほうがスムーズだし、ずっと理に適ったアプローチだと言える。
 
 選手と合意していれば、交渉上有利な立場に立てるという側面もある。実際、保有権を持つクラブに放出の意思がない場合に、選手にゴネさせることで手放さざるをえない状況を作り出すなど、合意を武器に揺さぶりをかけるといった事例は少なくない。あるいは高い値札が付いている場合に、選手との合意を盾にして移籍金の値下げを迫るといったケースもよくある。実質的には脅迫のようなものだが、もはやそれが当たり前のことになっている。それが移籍マーケットの現実だ。
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