なんで俺は今、お酒を片手に日本コールしてるんだ
並々ならぬ覚悟で臨んだ北京五輪は、グループステージ3戦全敗と非常に悔しい結果に終わったものの、当時柏レイソル在籍の李氏は日の丸を背負い、大舞台に立つミッションを見事に達成してみせた。ただ、それに伴い、大きな喪失感に見舞われることとなる。
どう立ち直り、誰もが知るアジアカップ決勝でのボレーシュートに繋がっていくのか。
――◆――◆――
オリンピックに出て、終わった後ですね。僕の中の至上命題というか、李忠成として、李という名前を残して、日本人として日本代表でオリンピックに出るのが僕の夢だったんです。それが達成できた時に目標がなくなってしまいました。
目標がなくなると人間って何が起きるかというと、パフォーマンスがすごく下がるんです。なぜ下がるかといったら、感動がなくなるんですよ。人間は目標に向かっている時に1番の幸せと感動を持てると思うんです。人生幸せになりましょう、人生豊かにしましょう、感動しましょうっていうのは、目標、夢がないと叶わないとその時に気付きました。
柏レイソルで膝の手術をして復帰しても全くパフォーマンスが上がらないし、Jリーグで点を取っても感動がない。環境を変えれば何か起きるかなと思ってサンフレッチェに行ったんですけど、やっぱり自分の中で感動は何もない。
どう立ち直り、誰もが知るアジアカップ決勝でのボレーシュートに繋がっていくのか。
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オリンピックに出て、終わった後ですね。僕の中の至上命題というか、李忠成として、李という名前を残して、日本人として日本代表でオリンピックに出るのが僕の夢だったんです。それが達成できた時に目標がなくなってしまいました。
目標がなくなると人間って何が起きるかというと、パフォーマンスがすごく下がるんです。なぜ下がるかといったら、感動がなくなるんですよ。人間は目標に向かっている時に1番の幸せと感動を持てると思うんです。人生幸せになりましょう、人生豊かにしましょう、感動しましょうっていうのは、目標、夢がないと叶わないとその時に気付きました。
柏レイソルで膝の手術をして復帰しても全くパフォーマンスが上がらないし、Jリーグで点を取っても感動がない。環境を変えれば何か起きるかなと思ってサンフレッチェに行ったんですけど、やっぱり自分の中で感動は何もない。
パフォーマンスがずっと下がっていって、「これダメだな」と思った時に、ちょうど南アフリカ・ワールドカップで、みんなが真剣に戦っている姿をパブリックビューイングで一般のサポーターと一緒に見ている時に、ハッと気付いたんですよ。
2年前まで北京オリンピックで一緒に戦っていた選手が、ワールドカップに半分以上出ているのに、「俺、何やってんだ」って。悔しいとかじゃなくて、悲しすぎて。「なんで俺は今、お酒を片手に日本コールしてるんだ」と。北京オリンピックの仲間たちが本気になって世界一を目ざして、頑張って戦っている姿を見て、「うわ、俺は2年間本当に意味のないことをしてしまったんだ」と思って、次の日からジムと契約して毎日練習して、チャンスを掴み取って日本代表になったのがその経緯です。
やっぱり人間はまず目標を持って、その目標に向かって何の燃料を積むか。いつも列車に例えるんですけど、何の燃料を積むかによって、目標に行くスピードは全く変わってきます。燃料はキラキラした「僕はこうなりたい」「楽しいことが待ってる」とかじゃなくて、「悔しい」「悲しい」とか「ふざけんなよ」っていう、ある意味ネガティブな心や言葉を燃料にすればするほど、強く大きく燃え上がって走ります。僕にとってその燃料が、南アフリカ・ワールドカップの日本代表ですね。
※後編に続く。次回は1月31日に公開予定です。
取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)
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2年前まで北京オリンピックで一緒に戦っていた選手が、ワールドカップに半分以上出ているのに、「俺、何やってんだ」って。悔しいとかじゃなくて、悲しすぎて。「なんで俺は今、お酒を片手に日本コールしてるんだ」と。北京オリンピックの仲間たちが本気になって世界一を目ざして、頑張って戦っている姿を見て、「うわ、俺は2年間本当に意味のないことをしてしまったんだ」と思って、次の日からジムと契約して毎日練習して、チャンスを掴み取って日本代表になったのがその経緯です。
やっぱり人間はまず目標を持って、その目標に向かって何の燃料を積むか。いつも列車に例えるんですけど、何の燃料を積むかによって、目標に行くスピードは全く変わってきます。燃料はキラキラした「僕はこうなりたい」「楽しいことが待ってる」とかじゃなくて、「悔しい」「悲しい」とか「ふざけんなよ」っていう、ある意味ネガティブな心や言葉を燃料にすればするほど、強く大きく燃え上がって走ります。僕にとってその燃料が、南アフリカ・ワールドカップの日本代表ですね。
※後編に続く。次回は1月31日に公開予定です。
取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)
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