• トップ
  • ニュース一覧
  • 【バイタルエリアの仕事人】vol.48 李忠成|「僕は何人?」韓国代表での出来事。感情から感動が消えた2年間も回想「俺、何やってんだ」

【バイタルエリアの仕事人】vol.48 李忠成|「僕は何人?」韓国代表での出来事。感情から感動が消えた2年間も回想「俺、何やってんだ」

カテゴリ:日本代表

有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

2025年01月30日

「あの国の人たちが帰化するのはやっぱ良くなかったね」と言わせたくなかった

グループステージ3戦全敗。結果は伴わなかったが、日の丸を背負って北京五輪出場というミッションを達成した。(C)Getty Images

画像を見る

 李氏のキャリアを語るうえで欠かせないのが、日本への帰化である。人生を左右する大きな決断を下すにあたっては、FC東京U-18からトップチームに昇格したプロ1年目の2004年、U-19韓国代表候補のトレーニングキャンプに参加した際の経験が、非常に大きかったようだ。

 さらに、北京五輪を共に戦った反町康治監督との秘話も明かしてくれた。

――◆――◆――

 韓国代表になって、日本と韓国の文化の差を肌で感じました。僕は朝鮮学校出身で、朝鮮半島のアイデンティティがあるなかで、現地に行ってみたら、「どっちの国でもない存在に自分はいるんだな」って気付いて。「じゃあ僕は何人だ」と思った時に、日本生まれ日本育ち、4世ですし、「日本のためにサッカーをして、貢献できればいい」ってことで帰化しました。

 イ・チュンソンからリ・タダナリに名前も変わったので、そこは大きなポイントですね。
 
 やっぱり人は一瞬で変わるんですよ。「立場、地位、役職で変わる」とよく言うじゃないですか。僕は韓国から日本に帰化して一瞬で変わりましたね。帰化申請が通って、新聞全紙で「李忠成、最終兵器」みたいな文言が載った時に、言葉遣いや所作、服装を変えなきゃいけないと思いました。

 僕の後ろに在日朝鮮人や韓国人がいるので、公の場で「てめえこの野郎」といったことを言って、「あの国の人たちが帰化するのはやっぱ良くなかったね」と言わせたくなかったからです。

 今まではサンダルとパジャマみたいな格好で練習場に行っていたけど、スニーカーを履いて、ちゃんとした服を着て練習場に行って、インタビューでしっかりした言葉を使おうと努力しました。僕が変われたので、誰でも変われると思うんですよ。それは帰化した時に思ったことですね。

 覚悟と責任ですよね。それを持つと人は一瞬で変わります。それが何なのかは、人それぞれだと思います。

 そこから北京オリンピックまですっと行きました。実は、元を辿れば、家に反町さんから電話がかかってきたんです。うちの父親が出たら、「新宿で会いたい。3人で会おう」ということで、3人で割烹料亭に行きました。その時に反町さんから「日本に帰化してくれないか?」と話があって、日本に帰化しました。

【バイタルエリアの仕事人】vol.10 小野伸二|「僕を目指してはだめ」黄金世代の“天才”が子供たちに伝えたい“努力”の重要性
【関連記事】
【画像】編集部が厳選! ゲームを彩るJクラブのチアリーダーを一挙紹介!
「森保さんが注意しないと」闘莉王が日本代表ベテランの“行為”に苦言 「すごく気になっている」
「話にならない」内田篤人、海外移籍について若手の“姿勢”に物申す「行けば。どこでもいいじゃん」
「信じられない経験をした」F・トーレスが日本時代を回想!「だから1年しか滞在しなかった…」
「広島の人達は羨ましいだろうな」新加入FW李忠成が京都の“新スタジアム”に感動!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ