最後に、2025年1月から始まるシーズン後半戦への抱負を語ってもらった。

　渡辺「高いパフォーマンスでチームを引っ張って、リーグ戦で優勝争いできる位置とか、カンファレンスリーグで勝ち上がっていいチームと当たったりするとかしたい。そしてステップアップですね。1月からのパフォーマンスで次の年、どこでプレーするかが決まると思う」

　伊藤「あと半年、シーズンがあるので、連戦ですが、まずは“怪我をしない”こと。それが一番大事ですし、このままコンスタントに試合に出られ続けるようにしたい。チームとして浮き沈みがあるかもしれませんが、個人としては自分がやるべきことに集中して、（調子を）落とすことなく残り半年やり続けたいです」

　伊藤はゲルケンス、クムス、デロージュというベルギーでは名の知れたセントラルMFたちとのポジション争いで優位に立っている。それはなぜかと言うと、“怪我をしない”から。

　伊藤「みんな技術面は高いですけれど、少し守備的ではないので、そこで自分がバランスを取ったり、守備の強度とか、自分のほうが強みを出せると思っているので、そこで違いを出せれば監督に必要とされると思う。彼らがみんな怪我をしてしまい、自分が怪我をしてないので出続けることができていると思う。そういったところで、怪我をしないということはサッカー選手として大事なことだと思ってます。そこに気をつけながらやっていきたい」
 

　チームを率いるフランケン監督は、ふたりのサムライにこんな賛辞を贈る。

「ワタ（渡辺）とダニエルが戦術理解とかの助けをしてくれた。でも敦樹の英語はだいぶ上達しましたよ。敦樹の成長にはとても満足してます。初めて戦うリーグ戦、初めての異文化、そして木曜、日曜、木曜……と続く連戦。敦樹はこの連戦の中、良くやってます。彼にはとても満足してます。

　私が思うに、ワタはベルギーリーグ最高のディフェンダーです。ワタはボールを持ったときのプレーが改善しました。今日の彼はボール保持時のプレーに加え、メンタリティーの強さも見せつけましたね。スペースがあれば、上がっていってもいいという話はしてました。彼はチームの手本であり、人としても本当に素晴らしい」

　ヘントでの日本人選手の株価は高まるばかりだ。

取材・文●中田 徹

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