【500試合出場記念ストーリー】ジャッロロッソに永遠の忠誠を誓うデ・ロッシ

カテゴリ:ワールド

白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

2015年10月19日

心の底から愛するクラブでタイトルを目指す道を。

05年から副キャプテンを務め、トッティ不在時は腕章を巻く。39歳になった背番号10の出番が激減した今シーズンは、その機会がさらに増えている。(C)Getty Images

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 同じように何度もメガオファーが舞い込みながら、ジャッロロッソに忠誠を誓い続けたトッティには、こう慰留された。
 
「ダニエレ、選択肢は2つある。ここに残るか、それともここに残るか、そのどちらかだ。よく考えて決めてくれ」
 
「ダニエレ、誕生日おめでとう。なあ、逆に最高のプレゼントを俺たちにしてくれよ。俺たちの家に、ローマに残って、何か素晴らしいものを一緒に勝ち取ろうぜ」
 
 そして、思い悩んだ末にデ・ロッシはいつも同じ選択をしてきた。きっと心の底からは愛せないクラブで多くのタイトルを勝ち取るよりも、心の底から愛するクラブでタイトルを目指す道を。
 
 トッティからカピターノ(主将)とバンディエーラ(旗頭)を受け継ぐのは自分しかいない――。そんな意識もあったかもしれない。
 
「ASローマは僕にとって永遠の愛なんだ。キャリアの最初から最後までロマニスタとして戦うことを、子供のころからずっと夢見ていた」
 
 もちろん、タイトルを諦めたわけではない。とりわけ、何度も目前で逃してきたスクデットには強いこだわりがある。
 
 先のエンポリ戦後にも、こうコメントしていた。
 
「正直に言えば、500試合出場よりも、勝利が嬉しいよ。ローマにはスクデットを目指せる戦力がある。でも、僕らは2シーズン連続で2位だった。そして、今シーズンもだ(8節終了現在)。勝利だけのために、全力を尽くす必要がある」
 
 500試合出場よりも、とにかくスクデットを祝いたい――。そう言っているかのようだった。
 
 愛してやまないASローマに永遠の忠誠を誓ったデ・ロッシは、シーズンを終える来年5月、再び敗れて唇を噛むのか、それともついに悲願を叶えて美酒に酔うのか。いずれにしても、頬は濡れているだろう。悔し涙か、嬉し涙で。
 
文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
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