日本人アタッカーと「プレミアの呪縛」 岡崎慎司が成功するために必要なものは?

カテゴリ:ワールド

山中忍

2015年08月15日

岡崎よ、強くあれ!

開幕戦では前線からの献身的な守備と裏を狙うオフ・ザ・ボールの動きで勝利に貢献した岡崎だが、求められるのはやはり目に見える結果だ。 (C) Getty Images

画像を見る

 今シーズン、新たなチャレンジャーとなった岡崎も同様だ。レスター移籍の現地報道は「タイ人オーナーがアジア人選手を希望」という一節を伴うものだった。
 
 イングランドの人々は、岡崎がプレーしたブンデスリーガを、「格下リーグ」とみなしてもいる。マインツでの二桁得点という実績は忘れ、一から挑戦するぐらいの覚悟が必要だろう。
 
 幸い、エリートとしてプロの道を歩んできたわけではない岡崎はひたむきな選手。その一例でもあるパーソナルトレーナーとの鍛錬では、プレミアでの成果が楽しみな「倒れにくい走り方」にも取り組んできたという。
 
 マインツでの1トップ経験により、マークを外す巧妙な動きには磨きが掛かり、わざと身体をぶつけてスペースを作るような狡猾さも体得しているようだ。シュートを外してもゴールを狙い続ける、いい意味でのふてぶてしさも持っている。
 
 無論、レベルアップは必要だ。相手チームが敢えてボールを持たせてくれる試合は滅多になく、攻守が激しく入れ替わる。ウインターブレイクもなく、ハードな戦いが続くシーズンを乗り切るには、これまで以上に心身両面で「タフ」でなければならない。
 
 開幕戦から、単なる好印象だけではなく具体的な結果を残してもらいたい。プレミアでも認められた中田の欧州でのキャリアが、ペルージャ(イタリア)での開幕戦2ゴールに始まったように――。
 
 雨天のピッチで、パスに走り込みながらニアサイドを撃ち抜き、バランスを崩さずにボレーを蹴り込んだ中田の2ゴールに見られた、身体と心の芯、そして運の強さ。
 
 岡崎よ、強くあれ!
 
文:山中忍
 
※サッカーダイジェスト2015.8.13号より修正加筆
【関連記事】
【プレミアリーグ開幕】レスターがサンダーランドに快勝! 岡崎は先発フル出場でデビュー
レスターの新監督ラニエリのサッカーとは? そのなかで岡崎慎司はどのように活かされるのか!? 現役イタリア人監督が考察
レギュラー奪取は? 乗り越えるべきハードルは? 岡崎慎司はレスターで活躍できるのか、現地識者が可能性を探る
前線には強力なライバルも――岡崎慎司の新天地レスターはどんなクラブ?
交渉の場を唯一キャッチしたビルト紙記者が明かす 「香川真司、ドルトムント帰還の舞台裏」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ