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スペイン2強に見るフットボールの「新時代」。メッシを手放したバルサはファンが離れ、マドリーの主役はスター選手ではなく…【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2021年10月04日

発言力の低下が著しいのが南米サッカーだ

 サッカークラブは常に、代々継承される伝統の上に成り立った小さな祖国のようなものだった。選手たちは優れた能力を競い合いながら、チームの勝利ために戦った。しかしその根本概念が揺らぎ始めている昨今、クラブとは何か、サッカーとは何か、我われは自問自答しなければならない。

 サッカーは幾万の無私無欲な人々の心に感動を呼び起こすエンターテインメントだ。ファンは自らの私財を投げ打ってでも、愛するクラブのために人生を捧げることができる。とりわけ盛り上がるのはローカルダービーだ。隣人同士がお互いのプライドをかけて雌雄を決する。

 しかし今シーズン、パリSGとマンチェスター・シティという10年前までさしたる関係がなかったクラブ同士の一戦がファンの興味を奪うことになるだろう。ともに国家の力を背景に、スター選手をかき集めるタレント軍団だ。
 
 相対的に近年、発言力の低下が著しいのが南米サッカーだ。欧州のクラブがワールドカップ予選に選手の派遣しないことをちらつかせても、憤慨する素振りすら見せない。

 これまではファンの間でアイドルとして崇められてきたのは、例えばマドリーなら、エミリオ・ブトラゲーニョ、ラウール・ゴンサレス、イケル・カシージャスといった花形選手だった。しかしこのままだと会長のフロレンティーノ・ペレスがその座に取って代わったとしても不思議はない。

 みなさん、新時代のサッカーにようこそ!

文●ホルヘ・バルダーノ
翻訳:下村正幸

【著者プロフィール】
ホルヘ・バルダーノ/1955年10月4日、アルゼンチンのロス・パレハス生まれ。現役時代はストライカーとして活躍し、73年にニューウェルズでプロデビューを飾ると、75年にアラベスへ移籍。79~84年までプレーしたサラゴサでの活躍が認められ、84年にはレアル・マドリーへ入団。87年に現役を引退するまでプレーし、ラ・リーガ制覇とUEFAカップ優勝を2度ずつ成し遂げた。75年にデビューを飾ったアルゼンチン代表では、2度のW杯(82年と86年)に出場し、86年のメキシコ大会では優勝に貢献。現役引退後は、テネリフェ、マドリー、バレンシアの監督を歴任。その後はマドリーのSDや副会長を務めた。現在は、『エル・パイス』紙でコラムを執筆しているほか、解説者としても人気を博している。

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙に掲載されたバルダーノ氏のコラムを翻訳配信しています。
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