29年ぶりの全国へ。冬でのリベンジを期す“紺碧の古豪”
そして後半25分、野村が左サイドを突破してクロスを上げると、ファーサイドでフリーになったFW川谷凪が倒れ込みながらも右足で強烈なシュートを叩き込んで1点を返す。さらに同28分には玄のパスを受けた右サイドバックの松永颯汰が、4バックにシステム変更をした清水東のDFラインのギャップを突いて、同点弾を右足で叩き込んだ。
3-3。壮絶な撃ち合いとなったゲームはここから一進一退の攻防戦となり、両チームとも集中した守備でこれ以上ゴールを割らせなかった。
延長戦の20分間でも決着が付かず、勝負はPK戦へ。ここでも7人目までもつれ込んだが、清水東の7人目、MF近藤快正のキックをGK生嶋がストップし、その直後にMF清水和馬がきっちりと決めて勝負あり。100分間に渡る決戦を静岡学園が制して、4年ぶりのインターハイ出場を手にした。
「1-3になっても後ろを2バック、ときには1バックにしてリスクを負いながらも攻撃に出たことで、追いつくことができた。インターハイではこの試合の経験を活かして、もっと自分たちのやりたいサッカーを表現できるようにしたい」
試合後、川口監督がこう語ったように、静岡学園にとってはまさに薄氷を踏む勝利だった。だが、決勝では10番を背負う古川陽介を負傷で欠きながら、苦境に立たされても持ち前の攻撃サッカーを発揮できたことは、今後に向けた経験値として大きくプラスに働くだろう。
3-3。壮絶な撃ち合いとなったゲームはここから一進一退の攻防戦となり、両チームとも集中した守備でこれ以上ゴールを割らせなかった。
延長戦の20分間でも決着が付かず、勝負はPK戦へ。ここでも7人目までもつれ込んだが、清水東の7人目、MF近藤快正のキックをGK生嶋がストップし、その直後にMF清水和馬がきっちりと決めて勝負あり。100分間に渡る決戦を静岡学園が制して、4年ぶりのインターハイ出場を手にした。
「1-3になっても後ろを2バック、ときには1バックにしてリスクを負いながらも攻撃に出たことで、追いつくことができた。インターハイではこの試合の経験を活かして、もっと自分たちのやりたいサッカーを表現できるようにしたい」
試合後、川口監督がこう語ったように、静岡学園にとってはまさに薄氷を踏む勝利だった。だが、決勝では10番を背負う古川陽介を負傷で欠きながら、苦境に立たされても持ち前の攻撃サッカーを発揮できたことは、今後に向けた経験値として大きくプラスに働くだろう。
一方、29年ぶりの悲願達成を逃した清水東の渡邊勝己監督は、「正直、本当に悔しい」と素直な胸の内を明かしつつ、「これで冬に向けて3年生が残ってくれるかもしれない。この悔しさをチームとしてこれからにつなげていきたい」と語った。県下トップクラスの進学校ゆえ、インターハイ予選終了後に毎年主軸の3年生が多く抜けるが、冬に向けてのリベンジを果たさんと、彼らの心に火がつくことに期待を寄せた。
実際にキャプテンの佐野は「この悔しさを味わってしまうと、ここで辞めるのは後悔が残る。冬まで部に残ります」と宣言するなど、この激戦が彼らの闘争心を滾らせたことは確かだ。
静岡学園はインターハイ初制覇に向けて、清水東は選手権で29年ぶりの全国を掴み取るべく、それぞれがこの熱戦からリスタートを切る。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
【PHOTO】2021年の高校サッカー界を彩る主な注目株を写真でチェック!~東海・北信越編
実際にキャプテンの佐野は「この悔しさを味わってしまうと、ここで辞めるのは後悔が残る。冬まで部に残ります」と宣言するなど、この激戦が彼らの闘争心を滾らせたことは確かだ。
静岡学園はインターハイ初制覇に向けて、清水東は選手権で29年ぶりの全国を掴み取るべく、それぞれがこの熱戦からリスタートを切る。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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