【川崎≪布陣変遷付≫】寂しそうに呟いた中村。「ガンバは変わっちゃった」

カテゴリ:Jリーグ

2015年05月17日

「俺が知っているガンバはどこに行ったんや、と。殴り合ってくんないかな」(中村)

 G大阪に先制を許したものの、後半の頭から出場した杉本健勇が81分に同点弾を叩き込み、最終的に1-1の痛み分けに終わった。中村は前半の課題に触れながら、杉本投入後の効果をこう明かす。
 
「前半はボールを受けようとしているのが嘉人しかいなかった。今日は(船山)貴之とちょっと合わなかったけど、一度裏は狙っているから、そのまま裏に走るのではなく、(ボールを受けて)深いところで起点を作ってほしいというのはあった。健勇は深い位置でキープしてくれるので時間が作れた。得点もクロスからで、健勇が入るとああいう形も作れる」
 
 川崎が抱える課題のひとつは明確だ。「どの相手もバイタルエリアを締めて、かっちり守ってくる。そこで外と中を使いながらどう侵入していくか」(中村)。中村のトップ下起用はそれに対するひとつの回答だったが、この日は課題の克服以前に2ボランチが機能しなかった。
 
 キーマンはボールの運び役となる大島で、彼が戦線に復帰すればボランチの組み合わせも「大島+谷口」、「大島+森谷」、「大島+角田(誠)」と増える。もちろん中村のボランチ起用は”鉄板”だが、守備のリスクマネジメントも考えてアンカーに谷口や角田を配し、インサイドハーフに「中村+大島」を置いて自由に動き回らせる形も一案だろう。
 
 中村は「馬鹿正直につないで、それを引っかけられてカウンターというのが何回もあった。そこは個人個人が判断しないといけない」と修正点を口にしながらも、引き分けを「もったいなかった」と総括した。
 
「前半の展開からすれば、ガンバは『もったいなかった』と言っているはずだけど、(後半の展開からすれば)引き分けは川崎にとっても『もったいなかった』」
 
 様々な側面から試合を振り返った中村だが、ミックスゾーンを去る際、どこか寂しそうにこう呟いたのが印象的だった。
 
「ガンバは変わっちゃった。俺が知っているガンバじゃないからね。(攻撃サッカーの)ガンバはどこに行ったんや、と。殴り合ってくんないかな……」
 
取材・文●大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)
 

後半の頭から出場した杉本が81分に同点ゴール。「健勇は深い位置でキープしてくれるので時間が作れた」(中村)。 写真:山崎昌治

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