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【喜熨斗勝史の欧州戦記|第2回】セルビアで日本人コーチはどう評価されているのか?そして日本戦への「複雑」な想い

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2021年05月18日

ミスター就任が正しかったと示すことができたのは最も大きかった

現地メディアに取り上げられる喜熨斗コーチ。いくつかのメディアから取材を申し込まれた。

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 現地到着後はリカバリー重視。ミスターと相談したうえで練習グラウンドを使用せず、ホテル近郊の公園を散歩するだけに留めました。でも意外なことに、それがセルビアの方々には評判が良く、現地メディアには「ピクシーとキノシーが公園で練習した」と取り上げられました。

 そしてセルビア代表の面々は若手を含めて成熟しているとはいえ、ここで負けるとそれまでに得た勝点4が無駄になるので、引き締める部分は引き締めようとチクチクと言い続けましたね。時間がないなかでの準備でしたが、そのなかで改めて分かったのは選手の質の高さ。「マスト」の部分さえ抑えてしまえば、そこから派生したことは個々で修正できる。結果的にアゼルバイジャン戦は2―1の勝利を収めることができました。

 ミスター就任直後の公式戦3連戦で、2勝1分の勝点7。満点に近いスタートで、ミスター就任が正しかったと示すことができたのは最も大きかったと思います。私自身で言えば、セルビア人を差し置いてコーチに就任している責任は大きかったので安心しました。
 
 あとはやはり……新型コロナですね。現在はワクチン接種で収まりつつありますが、当時はコロナ感染者や死者が日々、増えていく傾向にありました。国中がロックダウンして暗かった。ミスターも「自分たちの頑張りで苦しみを和らげたい」と口にしましたが、明るい話題を提供できて良かったです。

 その後はベオグラードの街中を歩いていても、ポジティブな声を掛けられましたし、一時帰国のために向かった空港では関税検査の検査官に握手を求められたりもしました。欧州サッカー界ではマイノリティな部類に入る日本人の私を受け入れてくれた。テレビや新聞などいくつかのメディアからも取材を申し込まれました。

 私の仕事スタンスは「オブリゲーション(義務、恩義)」。インタビューのなかで「そういう感覚は日本的には何と言うのか?」と聞かれたので「武士道」と答えています。新渡戸稲造の本とか紹介して。また選手との円滑なコミュニケーションについて評価されたのも嬉しいことですし、本当にサッカーが文化として根付いていると感じますね。
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