【神戸】ネルシーニョが落胆したホーム4敗目。怪我人続出のチームは立ち直れるのか?

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2015年05月11日

しぶとく勝点を拾うためにも、カウンターに活路を見出したい。

清水戦ではカウンターから渡邉(19)がオウンゴールを誘い、一時は同点に追いついた。怪我人が続出する苦しい状況ではこうした形を増やしていきたい。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 この点をGKの山本は的確に話す。
 
「監督からは、落ち着いて回せるところで回しなさいという指示を受けていた。ただ、前に運びながら回す選手が少なかったと思う。どうしても後ろ、後ろになって、結局キーパーを使うシーンがここ何試合か多くなっている気がする。それがつなごうという意識と、(周囲から)怖がっているように見える、違いだと思う。今までは、悩んだら、裏に蹴って、ラインを押し上げてということをやっていた。
 
 ただ今日は余裕がないのにつないでしまい、焦って後ろ、後ろに行っていた。そういう部分は、選手たちが個人的に判断して、良い選択をしないといけないと思う。まだ発展途上のチームだし、監督もひとつずつできること、選択肢を増やしてくれているが、今日はいろんなことをやろうとし過ぎて、パニックになったり、後手に回って疲れてしまったり、チグハグだった」
 
 この言葉を聞くと、ネルシーニョ監督が守備面だけでなく、チームのさらなるバージョンアップを目指して苦心している様子が窺える。
 
  ただ、多数の怪我人を抱える状況では、理想ばかりを追っていられないのも現実だ。まず、チームを落ち着かせるためにも得たいのは結果。そう考えた場合、今はボールを上手く回すことに力点を置くのではなく、攻撃はカウンターに専念し、しぶとく勝星を拾うことが大切なのではないか。
 
 現に清水戦の同点ゴールは相手の攻めを食い止めた高橋峻が一気に攻め上がり、そのスルーパスを受けた渡邉がオウンゴールを誘発させて奪ったものだった。
 
 2シャドーの一角で先発した石津もその点については次のように語る。
 
「ああいう場面(ゴールシーン)の回数を増やさないと、得点として表われないと思う。あれを見せることで、相手も引くし、引いたらボールも握れる。そういう形で、自分たちのペースで試合を運ぶことができれば良かったが、どっちつかずの展開になってしまった」
 
 また、カウンターの質を磨いておくのは、怪我人が戻って来て、再度、チームのバージョンアップを図る際にも有効な武器となるはずだ。
 
 第1ステージは早くも残り6戦。今季あくまで目指すのはクラブ創立20周年での初タイトル獲得だが、現在は首位浦和と勝点11差の11位と目標は非常に遠いもののように感じる。ただ、第2ステージでの巻き返しに期待するためにも、まずはこの悪い流れを早めに断ち切っておきたい。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 
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