遅れてきた実力者がチームに再び勢いをもたらせるか。
5月16日の次戦は、アウェーで浦和と戦う。ここで勝点3を獲得できれば、浦和とG大阪より1試合少ないとはいえ単独首位に浮上。チームの士気は一気に高まるはずだ。半面、浦和に敗れるようなら2連敗以上のダメージを受ける恐れもある。優勝戦線から一歩後退し、「やっぱりFC東京は勝負弱い」などと剥がれかけていたレッテルを再び刻印されてしまうかもしれないからだ。
G大阪、広島とすでに戦っているFC東京にとっては、ファーストステージ最大の山場。そう言っても過言ではない。
浦和撃破のポイントは攻撃面だろう。鹿島戦でも大崩れしなかった守備陣は次節、好調のCB吉本が出場停止から戻ってくる。守護神の権田も鬼神の如く振る舞っており、大きな穴は見当たらないだけに、どうゴールを奪うかが鍵になるのだ。
開幕当初は「武藤の個人技」、7節の山形戦からは「太田のセットプレー」を頼りにゴールを重ねてきた印象があるが、鹿島戦ではその“ふたつの矢”が徹底的に警戒されていた。浦和も間違いなく対策を練ってくるわけで、そう簡単にゴールは奪えないだろう。
必要なのは、3本目の矢だ。トップ下の河野が守備のタスクをこなすのに精いっぱいで、東がゴールに絡めなかった鹿島戦でもっとも可能性を感じたのが前田だった。
最前線でターゲットとなり、身体を張ったプレーと抜群の落としで味方にチャンスボールを供給しつつ、自ら持ち込める時はシュートまで打ち切っていた。ここにきてようやく周りと息があってきたようで、あまり機能していなかった開幕当初に比べて明らかに怖さが増してきた。
今のコンディションなら、浦和戦での先発は濃厚だ。J屈指のストライカーであるはずの前田が本来の実力を如何なく発揮して“3本目の矢”になれれば──。武藤の負担は軽減され、太田のセットプレーからのゴールもさらに増えるかもしれない。
5月8日に正式契約したばかりの技巧派ラサッドは、元チュニジア代表の肩書きがあるとはいえ、いきなり浦和戦で結果を求めるのは酷だろう。やはり、首位攻防戦で最大のポイントになるのは前田。遅れてきた実力者が、ビッグステージでFC東京に勢いをもたらすか見物である。
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
G大阪、広島とすでに戦っているFC東京にとっては、ファーストステージ最大の山場。そう言っても過言ではない。
浦和撃破のポイントは攻撃面だろう。鹿島戦でも大崩れしなかった守備陣は次節、好調のCB吉本が出場停止から戻ってくる。守護神の権田も鬼神の如く振る舞っており、大きな穴は見当たらないだけに、どうゴールを奪うかが鍵になるのだ。
開幕当初は「武藤の個人技」、7節の山形戦からは「太田のセットプレー」を頼りにゴールを重ねてきた印象があるが、鹿島戦ではその“ふたつの矢”が徹底的に警戒されていた。浦和も間違いなく対策を練ってくるわけで、そう簡単にゴールは奪えないだろう。
必要なのは、3本目の矢だ。トップ下の河野が守備のタスクをこなすのに精いっぱいで、東がゴールに絡めなかった鹿島戦でもっとも可能性を感じたのが前田だった。
最前線でターゲットとなり、身体を張ったプレーと抜群の落としで味方にチャンスボールを供給しつつ、自ら持ち込める時はシュートまで打ち切っていた。ここにきてようやく周りと息があってきたようで、あまり機能していなかった開幕当初に比べて明らかに怖さが増してきた。
今のコンディションなら、浦和戦での先発は濃厚だ。J屈指のストライカーであるはずの前田が本来の実力を如何なく発揮して“3本目の矢”になれれば──。武藤の負担は軽減され、太田のセットプレーからのゴールもさらに増えるかもしれない。
5月8日に正式契約したばかりの技巧派ラサッドは、元チュニジア代表の肩書きがあるとはいえ、いきなり浦和戦で結果を求めるのは酷だろう。やはり、首位攻防戦で最大のポイントになるのは前田。遅れてきた実力者が、ビッグステージでFC東京に勢いをもたらすか見物である。
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)