過去のCLのPK戦における成績はバイエルンが最も良いが…。


4強のうちマドリーを除く3チームが、CL決勝でのPK戦敗北という悔しさと悲しみを味わった経験を持つ。上写真は85-86シーズンのバルサ(青ユニホーム)、下写真は02-03シーズンのユベントス。 (C) Getty Images
85-86シーズンのチャンピオンズ・カップ決勝、バルセロナとステアウア・ブカレストの対戦は、前者が圧倒的有利といわれ、さらに会場が同じスペインのセビージャだったことも、よりバルサの欧州制覇を後押ししているように思われた。
しかし試合は、ステアウアの堅守をバルサが最後まで破れず、決勝ではステアウアのGKヘルムート・ドゥカダムがバルサのキッカー4人全員を止め、ルーマニアのクラブに初の栄冠をもたらした。
一方、バルサにとっては、自国での決勝戦をPK戦の末に落とした(しかも格下といわれた相手に)ことで、永遠に忘れられない屈辱と悲劇の出来事となったが、同じようなケースで、83-84シーズンにはローマが本拠地オリンピコでリバプールに、そして11-12シーズンにはバイエルンがやはり本拠地フースバル・アレーナ・ミュンヘン(アリアンツ・アレーナ)で敗れている。
自国や自チームの本拠地で戦えることは大きなメリットである反面、時間が経過し、延長戦、PK戦と試合が進んでしまうと、一転してホームチームへのプレッシャーは増し、地元の大観衆の存在は大きな負担となってしまうのだろうか。ちなみに今シーズンの決勝戦はドイツ・ベルリンのオリンピア・シュタディオンで行なわれる。
ところで、バイエルンは伝統的にPK戦に弱いチームなのか。下記は、ベスト4進出チームの欧州カップ戦における過去の成績だが、試合数の違いがあるとはいえ、このなかで唯一勝ち越しているのはバイエルンだけである。
◇4強のCLにおけるPK戦全成績
◎ユベントス(2勝2敗)
2002-03
決勝 ×2-3 ミラン
1995-96
決勝 ○4-2 アヤックス
1986-87
2回戦 ×1-3 レアル・マドリー
1977-78
準々決勝 ○3-0 アヤックス
◎レアル・マドリー(1勝1敗)
2011-12
準決勝 ×1-3 バイエルン
1986-87
2回戦 ○3-1 ユベントス
◎バルセロナ(1勝1敗)
1985-86
決勝 ×0-2 ステアウア
1985-86
準決勝 ○5-4 イェーテボリ
◎バイエルン(3勝1敗)
2011-12
決勝 ×3-4 チェルシー
準決勝 ○3-1 レアル・マドリー
2000-01
決勝 ○5-4 バレンシア
1973-74
1回戦 ○4-3 オートビダベリ
ドイツ代表のPK戦での強さは有名だが、どの時代にもドイツ代表の主力選手を多く輩出してきたバイエルンにも、同じメンタリティの強さが備わっているのだろうか。
もっとも、その時々の選手の調子、精神状態、試合の流れ、ピッチ外の空気など、多くの内外の要素が、結果に大きく影響するのがPK戦であり、前述のDFBポカールでのバイエルンのように、リーガでは圧倒的な差をつけたドルトムント相手にひとりもゴールを決められないということも起こりうる。
流れに影響される一方で、それまでの有利不利をいっさいリセットして新たなドラマを生み出すPK戦。明暗をくっきりと分ける11メートルの対決は、果たして決勝戦を含めた5試合で何度実現するだろうか。
【写真で回想】レアル・マドリー栄光のCL史
【写真で回想】バイエルン栄光のCL史
しかし試合は、ステアウアの堅守をバルサが最後まで破れず、決勝ではステアウアのGKヘルムート・ドゥカダムがバルサのキッカー4人全員を止め、ルーマニアのクラブに初の栄冠をもたらした。
一方、バルサにとっては、自国での決勝戦をPK戦の末に落とした(しかも格下といわれた相手に)ことで、永遠に忘れられない屈辱と悲劇の出来事となったが、同じようなケースで、83-84シーズンにはローマが本拠地オリンピコでリバプールに、そして11-12シーズンにはバイエルンがやはり本拠地フースバル・アレーナ・ミュンヘン(アリアンツ・アレーナ)で敗れている。
自国や自チームの本拠地で戦えることは大きなメリットである反面、時間が経過し、延長戦、PK戦と試合が進んでしまうと、一転してホームチームへのプレッシャーは増し、地元の大観衆の存在は大きな負担となってしまうのだろうか。ちなみに今シーズンの決勝戦はドイツ・ベルリンのオリンピア・シュタディオンで行なわれる。
ところで、バイエルンは伝統的にPK戦に弱いチームなのか。下記は、ベスト4進出チームの欧州カップ戦における過去の成績だが、試合数の違いがあるとはいえ、このなかで唯一勝ち越しているのはバイエルンだけである。
◇4強のCLにおけるPK戦全成績
◎ユベントス(2勝2敗)
2002-03
決勝 ×2-3 ミラン
1995-96
決勝 ○4-2 アヤックス
1986-87
2回戦 ×1-3 レアル・マドリー
1977-78
準々決勝 ○3-0 アヤックス
◎レアル・マドリー(1勝1敗)
2011-12
準決勝 ×1-3 バイエルン
1986-87
2回戦 ○3-1 ユベントス
◎バルセロナ(1勝1敗)
1985-86
決勝 ×0-2 ステアウア
1985-86
準決勝 ○5-4 イェーテボリ
◎バイエルン(3勝1敗)
2011-12
決勝 ×3-4 チェルシー
準決勝 ○3-1 レアル・マドリー
2000-01
決勝 ○5-4 バレンシア
1973-74
1回戦 ○4-3 オートビダベリ
ドイツ代表のPK戦での強さは有名だが、どの時代にもドイツ代表の主力選手を多く輩出してきたバイエルンにも、同じメンタリティの強さが備わっているのだろうか。
もっとも、その時々の選手の調子、精神状態、試合の流れ、ピッチ外の空気など、多くの内外の要素が、結果に大きく影響するのがPK戦であり、前述のDFBポカールでのバイエルンのように、リーガでは圧倒的な差をつけたドルトムント相手にひとりもゴールを決められないということも起こりうる。
流れに影響される一方で、それまでの有利不利をいっさいリセットして新たなドラマを生み出すPK戦。明暗をくっきりと分ける11メートルの対決は、果たして決勝戦を含めた5試合で何度実現するだろうか。
【写真で回想】レアル・マドリー栄光のCL史
【写真で回想】バイエルン栄光のCL史