どんな体勢でもシュートが決まりさえすればいい。
そして、“踏ん張らない”こと。このレベルの選手ともなれば体幹の強さは当たり前のように持っています。踏ん張って耐えきってしまうことで、膝など関節を痛めてしまうことがままあります。しかし、スアレスの場合は適度に踏ん張らないで、相手の動きに合わせて身体を乗せていく。
シュートを打つシーンでも、あるいは予測と違うボールが来たシーンでも、打った後に倒れ込んでいるケースが多い。そのあたりは、ヨーロッパの選手と比較すると、まさに“南米的な選手”と言えるのかもしれませんね。
ヨーロッパの選手には、きれいな二軸動作で走る選手が多いです。対照的に南米の、とくにFWの選手は、どんな体勢でもシュートが決まりさえすればいいといったような身体の使い方をする選手が多いように思われます。
ロナウジーニョにもそういう部分を感じましたが、スアレスもまさにそう。一見、フォームは崩れているように映る。「なんであんな動き方を?」と思うような動きで、見た目にはバラバラに見える。しかしそれは、単なる不揃いではなく「バラバラに動かせる」という高いフィジカル能力の表われなのですね。
もっとも、スアレスにしてもそうした動き方を理論的に身に付けたわけではないはずです。そういう身体の使い方が要求される過酷な環境で、試行錯誤を経て自ら磨きあげた結果、身に付いたフィジカルという印象があります。
分析:横原和真
取材・文:澤山大輔
【分析者プロフィール】
横原和真(よこはら・かずま)
1983年11月15日生まれ。フィジカル・コンサルティングチーム『フィジカリズム』のランニングコーチ。日本陸連公認コーチ、日本陸連公認ジュニアコーチ。現役時代はハードル走を専門とし、全国大会の常連に。西日本インカレ優勝、全日本インカレ7位、日本選手権4度出場などの実績を持つ。引退後はスポーツ事業会社に勤務する傍ら、陸連公認コーチ等多くの資格を習得し、陸上のみならずラグビーやサッカーなど他種目でも選手育成・指導に取り組む。その語り口のわかりやすさ、実践的な指導内容には定評がある。
シュートを打つシーンでも、あるいは予測と違うボールが来たシーンでも、打った後に倒れ込んでいるケースが多い。そのあたりは、ヨーロッパの選手と比較すると、まさに“南米的な選手”と言えるのかもしれませんね。
ヨーロッパの選手には、きれいな二軸動作で走る選手が多いです。対照的に南米の、とくにFWの選手は、どんな体勢でもシュートが決まりさえすればいいといったような身体の使い方をする選手が多いように思われます。
ロナウジーニョにもそういう部分を感じましたが、スアレスもまさにそう。一見、フォームは崩れているように映る。「なんであんな動き方を?」と思うような動きで、見た目にはバラバラに見える。しかしそれは、単なる不揃いではなく「バラバラに動かせる」という高いフィジカル能力の表われなのですね。
もっとも、スアレスにしてもそうした動き方を理論的に身に付けたわけではないはずです。そういう身体の使い方が要求される過酷な環境で、試行錯誤を経て自ら磨きあげた結果、身に付いたフィジカルという印象があります。
分析:横原和真
取材・文:澤山大輔
【分析者プロフィール】
横原和真(よこはら・かずま)
1983年11月15日生まれ。フィジカル・コンサルティングチーム『フィジカリズム』のランニングコーチ。日本陸連公認コーチ、日本陸連公認ジュニアコーチ。現役時代はハードル走を専門とし、全国大会の常連に。西日本インカレ優勝、全日本インカレ7位、日本選手権4度出場などの実績を持つ。引退後はスポーツ事業会社に勤務する傍ら、陸連公認コーチ等多くの資格を習得し、陸上のみならずラグビーやサッカーなど他種目でも選手育成・指導に取り組む。その語り口のわかりやすさ、実践的な指導内容には定評がある。