1試合平均のボールゲイン数14.3回はリーグ2位。“スイッチ役”が、前線に上がると…。
なにより遠藤が右ストッパーに入る本来の布陣のほうが、チーム全体として、より仔細にわたって規律が徹底されている。また、遠藤の「ボールゲイン数(守備から攻撃に切り替わった時に最初にプレーに関与した回数)」1試合平均14.3回はリーグ2位である(もちろんチーム内トップ)。つまり、湘南がこだわりを持つ「守」から「攻」へ切り替える“スイッチ役”の筆頭が彼なのだ。
その遠藤が前線に上がって攻撃に専念するとなると、「スイッチ役」がいなくなるのだから、それまでのバランスが微妙に崩れてしまう。それだけに彼がシャドーに入りロングボールが増え出すと、従来のスタイルとのギャップが激しく、攻撃がかなり大雑把になったことは否定できない。
「決してパワープレーを狙っているわけではないんですけれどね……」
遠藤はそう説明する一方、掴みかけている手応えを語る。
「球際での競り合いでは、決して負けていなかったと思う。チャンスはあっただけに……決め切りたかった。あとは本当にそこだけ。判断の精度とスピードをもっと上げないといけない」
遠藤のポリバレントな能力は、間違いなく湘南の武器だ。坪井、島村毅、キム・ジョンピルら守備陣がナビスコカップなどで結果を残すなど好調なだけに、シャドー起用を含め、遠藤の能力をJ1で最大限に引き出すための最適解を今後も探っていくべきだろう。その守備から攻撃への「スイッチ役」としての能力を活かすのであれば、U-22代表のようなボランチ起用を試してみる価値もありそうだ。または、相手が守備を固める前に――シャドーで先発させるという奇襲も面白いか。
U-22日本代表の主将を務めているとあって、A代表のハリルホジッチ監督も注目するタレントのひとりである(前節のFC東京戦では、BMWスタジアムまで視察に訪れている)。本人も「A代表には選ばれたいと常に思っている。でも、自分がいつもどおりプレーすることが大切」と足もとをしっかり見つめ、一歩ずつ前進しようとする姿勢に変わりはない。
「この間のFC東京戦は思い切りの良さを欠いていた気がしたけれど、今日(G大阪戦)は前を向いた時の積極性を出せていた。負けて悔しいが、通用するところも感じられた。このスタイルには自信があるし、もっと良くなっていける」
勝利は収められなかったものの、レベルの高い相手と対戦するたびに進化を遂げていく。次なる目標は、まずは目の前の試合に勝つこと――リーグ戦の連敗ストップ。できれば4節から続く失点も食い止めたい。
今はその一つひとつを積み重ねていく難しさを実感している。ただ、こうした一戦ごとに自らの限界を超えようとする挑戦は間違いなく、ポジションに関係なく、遠藤を逞しく、タフなファイターに成長させている。
その遠藤が前線に上がって攻撃に専念するとなると、「スイッチ役」がいなくなるのだから、それまでのバランスが微妙に崩れてしまう。それだけに彼がシャドーに入りロングボールが増え出すと、従来のスタイルとのギャップが激しく、攻撃がかなり大雑把になったことは否定できない。
「決してパワープレーを狙っているわけではないんですけれどね……」
遠藤はそう説明する一方、掴みかけている手応えを語る。
「球際での競り合いでは、決して負けていなかったと思う。チャンスはあっただけに……決め切りたかった。あとは本当にそこだけ。判断の精度とスピードをもっと上げないといけない」
遠藤のポリバレントな能力は、間違いなく湘南の武器だ。坪井、島村毅、キム・ジョンピルら守備陣がナビスコカップなどで結果を残すなど好調なだけに、シャドー起用を含め、遠藤の能力をJ1で最大限に引き出すための最適解を今後も探っていくべきだろう。その守備から攻撃への「スイッチ役」としての能力を活かすのであれば、U-22代表のようなボランチ起用を試してみる価値もありそうだ。または、相手が守備を固める前に――シャドーで先発させるという奇襲も面白いか。
U-22日本代表の主将を務めているとあって、A代表のハリルホジッチ監督も注目するタレントのひとりである(前節のFC東京戦では、BMWスタジアムまで視察に訪れている)。本人も「A代表には選ばれたいと常に思っている。でも、自分がいつもどおりプレーすることが大切」と足もとをしっかり見つめ、一歩ずつ前進しようとする姿勢に変わりはない。
「この間のFC東京戦は思い切りの良さを欠いていた気がしたけれど、今日(G大阪戦)は前を向いた時の積極性を出せていた。負けて悔しいが、通用するところも感じられた。このスタイルには自信があるし、もっと良くなっていける」
勝利は収められなかったものの、レベルの高い相手と対戦するたびに進化を遂げていく。次なる目標は、まずは目の前の試合に勝つこと――リーグ戦の連敗ストップ。できれば4節から続く失点も食い止めたい。
今はその一つひとつを積み重ねていく難しさを実感している。ただ、こうした一戦ごとに自らの限界を超えようとする挑戦は間違いなく、ポジションに関係なく、遠藤を逞しく、タフなファイターに成長させている。