若手の台頭、ベテラン復活の気配、戦術理解の高い人材の加入が好材料に
1月24日から2週間、沖縄でキャンプを実施した浦和からは、ここ数シーズンと比較してマイボールを格段に大事にする姿勢が感じられる。ロドリゲス監督を指揮者に迎え、特定個人に依存するような攻撃から、全体で1つの楽曲を演奏するオーケストラのような方向へ舵を切った。
期待の若手、2年目の武田英寿は対外試合4試合で5得点し、阿部勇樹や柏木陽介といった選手たちは復活の気配を色濃く見せている。新加入した20代前半の若手選手たちに、こうした戦術的なサッカーへの理解度が高い田中達也、経験豊富な西大伍も加わり、ひとつハマればそのハーモニーは美しい音を奏でそうな期待は大きい。しかし、現時点でその旋律には少なからず不協和音が混ざっている。
期待の若手、2年目の武田英寿は対外試合4試合で5得点し、阿部勇樹や柏木陽介といった選手たちは復活の気配を色濃く見せている。新加入した20代前半の若手選手たちに、こうした戦術的なサッカーへの理解度が高い田中達也、経験豊富な西大伍も加わり、ひとつハマればそのハーモニーは美しい音を奏でそうな期待は大きい。しかし、現時点でその旋律には少なからず不協和音が混ざっている。
リーグ開幕まで3週間、現時点での完成度だけを見るならば苦しい序盤戦になっても驚きはない。それでも、軌道に乗った時には相当な力を発揮するのではないかというポテンシャルの高さは、この札幌戦でも随所に見せた。「もし、あのパスが正確に1本通っていれば」「もし、ボールを受けに来るはずの選手が遅れなければ」という積み重ねが良い方向に変わった時、札幌のプレスに潰されていた姿は、それを悠々と裏返していく姿に変わるかもしれない。前述した13年は、得点に目を向ければリーグトップの66点を奪って1試合平均2点に限りなく近づいたのだ。
2シーズン連続のリーグ戦2桁順位からの復活を目指す浦和にとって、乗り越えるべき試練と課題がキャンプ最終日にハッキリと提示された。この経験を生かすも殺すも、本拠地さいたまで過ごす開幕までの日々がカギを握るということになりそうだ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部