Jリーグは、ピッチの中はプロで外はアマチュア。そういう構造で30年近くやってきた
厳しく結果を問われないJリーグだけど、やっぱりコロナ禍の影響で来季は正念場に立たされる人たちがいるのは間違いない。それが、今年結果を出せなかった中堅以上の選手であり、高額年俸のベテランたちだよ。
レッズでも今年出番の少なかった阿部や柏木といった選手たちにはやはり厳しい提示がなされるだろうし、シーズン当初に出番のなかった槙野もクラブからどう見られているのか分からない。ベテランでは、西川と興梠が継続して出番を得ていたけど、来年は予算を削られる可能性が高い中で、彼らもどんな待遇で、どう起用されるのか読めないね。
もちろん、他の多くのクラブでも同じことだろう。スポンサー収入の減少で予算的にも厳しくなるのは間違いない。そういうなかでチームの戦力になれなかったり、クラブになんらかの付加価値をもたらせない選手はリストラの対象とされてしまう。
ただ一方で僕が納得できないのは、そうやって選手が切られてしまうのに対して、社長をはじめフロント陣は何も変わらないこと。片方はリスクを背負って戦っているのに、社長は年間予算を回しているだけ。これではあまりにも不公平だ。
だから、僕はいつも、クラブは出向の社長ではなく、選挙で選ばれた会長によって運営されるべきだと言っているんだ。会長になるのは、地域の人でスポンサーがメリットを感じるような人物が務めればいい。もちろん選挙で選ぶなら、みんなの期待に応える義務が発生するから、結果を出せなければ責任も問われるけど、それがプロってものじゃないかな。Jリーグはピッチの中はプロだけど、外はまだまだアマチュア。そういう構造で30年近くやってきたんだ。
熱狂的なレッズのサポーターは今のクラブをどんな目で見ているんだろうね。補強にしろ、リストラするにしろ、勝つためにはそれが必要なんだとはっきりと示せなければ、彼らの心はクラブから離れていってしまうんじゃないかな。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部