戦略家にして勝負師。ふたつの顔を見せた初陣だった。
それにしても、ハリルホジッチ監督は最高のタイミングで“ボスキャラ”をピッチに送り出した。試合は停滞気味で、観ている側も欠伸のひとつでもしようかという時間帯に強烈な一手を打ったのだから──。
本田は言う。
「途中から出た選手が結果を残した。それも監督の質。サブの選手を準備させて、出た時に役割を発揮させる。その整理ができていたからこそ、出場してすぐに(流れを)変えられた。この何日間かでそれを選手に浸透させたのは、監督の経験値だと思う」
計算できる戦力をあえてスーパーサブ的に使う発想は、長年のキャリアで生み出したものだろう。戦略家にして勝負師。ふたつの顔を見せた初陣だったとも言える。
ハリルホジッチ監督に言わせれば、全員で掴んだ勝利なのだろう。
「最初から出たメンバーを含め、やる気とアグレッシブさを見せてくれた。良い雰囲気、良い競争を生み出せたと思う。我々のクオリティとは組織的に戦うこと。このやり方が日本には合っている」
特定のタレントに頼りがちだった既存のやり方をぶっ壊す──。3年後のロシア・ワールドカップで脂が乗り切りそうなロンドン世代の多くをチュニジア戦で先発させた意図は、そこにあったはずだ。
主力とサブという明確な線引きがない現状を、岡崎は大歓迎する。
「競争を望んでいた。みんなにチャンスがあるべき。自分たちはワールドカップやアジアカップで負けている。そこで若い選手が出てこないといけないと感じた。同じスタートラインに立ったと思っているし、自分も若い選手もどんどん吸収しようとしている。そうした環境を作っていこうと監督も言っていて、自分も同じ気持ちでいます」
閉塞感なきトライアウト。現在クラブで控えに甘んじている川島をベンチに置き、目下絶好調の権田をスタメン起用したところにも好感が持てる。代表待望論が囁かれていた宇佐美をテストするなど、できる範囲でニューカマーを試す采配も評価に値した。
「次の試合(3月31日のウズベキスタン戦/東京)でも、(私が)まだ十分に知らない選手にプレーする機会を与えたいと思う」と、チュニジア戦で出番がなかったサブメンバーを刺激し、競争心を煽るハリルホジッチ監督なら、日本代表を正しい方向に導いてくれそうだ。
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
本田は言う。
「途中から出た選手が結果を残した。それも監督の質。サブの選手を準備させて、出た時に役割を発揮させる。その整理ができていたからこそ、出場してすぐに(流れを)変えられた。この何日間かでそれを選手に浸透させたのは、監督の経験値だと思う」
計算できる戦力をあえてスーパーサブ的に使う発想は、長年のキャリアで生み出したものだろう。戦略家にして勝負師。ふたつの顔を見せた初陣だったとも言える。
ハリルホジッチ監督に言わせれば、全員で掴んだ勝利なのだろう。
「最初から出たメンバーを含め、やる気とアグレッシブさを見せてくれた。良い雰囲気、良い競争を生み出せたと思う。我々のクオリティとは組織的に戦うこと。このやり方が日本には合っている」
特定のタレントに頼りがちだった既存のやり方をぶっ壊す──。3年後のロシア・ワールドカップで脂が乗り切りそうなロンドン世代の多くをチュニジア戦で先発させた意図は、そこにあったはずだ。
主力とサブという明確な線引きがない現状を、岡崎は大歓迎する。
「競争を望んでいた。みんなにチャンスがあるべき。自分たちはワールドカップやアジアカップで負けている。そこで若い選手が出てこないといけないと感じた。同じスタートラインに立ったと思っているし、自分も若い選手もどんどん吸収しようとしている。そうした環境を作っていこうと監督も言っていて、自分も同じ気持ちでいます」
閉塞感なきトライアウト。現在クラブで控えに甘んじている川島をベンチに置き、目下絶好調の権田をスタメン起用したところにも好感が持てる。代表待望論が囁かれていた宇佐美をテストするなど、できる範囲でニューカマーを試す采配も評価に値した。
「次の試合(3月31日のウズベキスタン戦/東京)でも、(私が)まだ十分に知らない選手にプレーする機会を与えたいと思う」と、チュニジア戦で出番がなかったサブメンバーを刺激し、競争心を煽るハリルホジッチ監督なら、日本代表を正しい方向に導いてくれそうだ。
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)