交代枠活用法を再考させた練習試合。10連勝のあとに12連勝へと導いた言葉
■5枚の交代枠と選手層
圧巻のリーグ制覇のもうひとつの要因が5人交代制だろう。鬼木監督は当初、この5枚の交代枠の利用について、イメージをし切れていなかった部分があるという。ただリーグ戦再開直前の6月27日に行われた湘南との練習試合が契機になり、どう5枚交代枠を活用するのか、考え方を切り替えたのだという。
交代枠を駆使した相手に「対処できずに点を取られてしまったということがあった」と振り返る。この試合を境に5枚の交代枠の重要性を認識した鬼木監督は、公式戦でフル活用してきた。
7月4日の鹿島とのリーグ再開初戦以降、10月14日の22節・広島戦で4枚の交代にとどめるまで、5人の交代枠をフル活用し続けた。結局、優勝が決まるまでの29試合中、4枚の交代にとどまったのは前述の広島戦と25節のFC東京戦の2試合のみ。ちなみに広島戦については負傷者が出たことにより、予定外に交代枠を使わざるをえなかったという事情があった。
もちろんただ単に5選手を入れ替えればいいという話ではない。5枚を交代しても結果を出せるだけの選手層の厚さがあったことが川崎の強さの源でもあった。
いわゆる2チーム編成を組めるような戦力を抱えて、過密日程で選手のやりくりに苦しむライバルたちに対して、盤石の姿勢でシーズンを戦えたことになる。
圧巻のリーグ制覇のもうひとつの要因が5人交代制だろう。鬼木監督は当初、この5枚の交代枠の利用について、イメージをし切れていなかった部分があるという。ただリーグ戦再開直前の6月27日に行われた湘南との練習試合が契機になり、どう5枚交代枠を活用するのか、考え方を切り替えたのだという。
交代枠を駆使した相手に「対処できずに点を取られてしまったということがあった」と振り返る。この試合を境に5枚の交代枠の重要性を認識した鬼木監督は、公式戦でフル活用してきた。
7月4日の鹿島とのリーグ再開初戦以降、10月14日の22節・広島戦で4枚の交代にとどめるまで、5人の交代枠をフル活用し続けた。結局、優勝が決まるまでの29試合中、4枚の交代にとどまったのは前述の広島戦と25節のFC東京戦の2試合のみ。ちなみに広島戦については負傷者が出たことにより、予定外に交代枠を使わざるをえなかったという事情があった。
もちろんただ単に5選手を入れ替えればいいという話ではない。5枚を交代しても結果を出せるだけの選手層の厚さがあったことが川崎の強さの源でもあった。
いわゆる2チーム編成を組めるような戦力を抱えて、過密日程で選手のやりくりに苦しむライバルたちに対して、盤石の姿勢でシーズンを戦えたことになる。
■チームマネジメント力
チーム戦術の変更がハマり、分厚い選手層を活かす5枚の交代枠をフル活用する。最終的にその環境を活かせたのは、鬼木監督のチームマネジメント力があったからこそだ。
指揮官は選手たちにこう語り続けていた。
「楽しもう」と。
その背景には「現役が終わって思うのは、楽しんでやれる時がやっぱり選手としては一番躍動している」との想いがある。
プレッシャーを楽しみに変える。サッカーを楽しむことが、ゴールにつながり勝利をもたらす。それが結果的に記録的な戴冠劇へとつながった。
今季の川崎は2節からリーグ新記録の10連勝を記録。達成感が出てもおかしくはなかったが、選手たちは鬼木監督の言葉に導かれ、新たな記録に挑戦する。守田英正は鬼木監督の言葉を次のように記憶している。
「自分たちが成し遂げたこの10連勝という記録を自分たちでもう一度越えよう」
12節の名古屋戦で今季初黒星を喫するも、選手たちを奮い立たせた指揮官の言葉。川崎は再度連勝記録に挑戦し、25節のFC東京戦までに記録更新となる12連勝を達成。優勝を目前に足踏みはしたが、今季のリーグを圧倒し、史上最速で優勝を決めた。圧倒的な強さによる王座奪還劇だったと言えるだろう。
取材・文●江藤高志(川崎フットボールアディクト)
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