【韓国メディアの視点】Kリーグに新風を吹き込む前鳥栖監督のユン・ジョンファン

カテゴリ:Jリーグ

慎武宏

2015年03月24日

大宮から復帰した増田が蔚山躍進のキーパーソンに。

今季大宮から蔚山現代に復帰した増田。躍進の原動力となる活躍を見せている。(C) Getty Images

画像を見る

 昨季まで城南FCに所属し、今季から蔚山現代でプレーするキム・ソンファンは、ユン・ジョンファン式の変化を次のように語っている。
「昨季までの蔚山はロングキックで最前線につなげるスタイルだったが、今の蔚山はロングキックだけでなく、パスを通じて中盤やサイドなどもすべて活用する。監督は全選手に守備意識も強調する。アタッカーも守備を念頭に置いてどう動くべきか、常に考えなければならない」
 
 そんなユン・ジョンファン式鉄槌サッカーのキーパーソンになっているひとりが、今季レンタル先の大宮から再び蔚山現代に復帰した増田誓志だ。開幕から3戦連続スタメン。浦項戦ではゴールも決めている。
 
「蔚山の鉄槌サッカーがミッドフィールドの安定的な調整によってさらに新しくなった。パス能力に優れた日本出身の増田の存在が大きい」(ネットメディア『JOY NEWS』)
とメディアの評価も上々だ。
 
 ちなみに韓国のスポーツ新聞記者の話によると、増田の蔚山復帰を強く望んだのはユン・ジョンファン監督だったとか。ただ、公の場でユン・ジョンファン監督と増田が日本語で会話しているところは見たことがないという。
 
 また、Kリーグでは試合当日のキックオフ前に記者たちが監督の狙いなどを聞ける“ぶら下がり取材”を慣例的に義務付けているが、ユン・ジョンファン監督はそれも苦手にしているとか。韓国のスポーツ新聞記者が言っていた。
 
「日本語が喋れても通訳を介して増田とコミュニケーションするのは、他の韓国人選手たちの目があるからでしょう。試合前のぶら下がり取材はJリーグでも経験がなかったようで、まだ慣れず当惑している感じ。試合後の会見でも、言葉を慎重に選んでいる印象。韓国人なのに、どこか日本っぽい雰囲気がありますね。Jリーグ・スタイルなのかな?」
 
 選手やメディアと一線を引いて接し、慎重に言葉を選ぶのが日本式やJリーグ・スタイルとは言い切れないだろうが、ユン・ジョンファン監督がKリーグに新しい風を吹かしていることは間違いない。
 
 今後、勝点をさらに増やしていけば、その風は旋風となっていくはずだ。今季の蔚山現代からは目が離せそうにない。
 
文:慎 武宏(スポーツライター)
【関連記事】
【韓国メディアの視点】煮え湯を飲まされたハリルホジッチ氏の就任に警鐘も
【韓国が見た日本】ACLで韓国勢に1分3敗の日本。「自分たちのサッカー」に満足しがちな価値観に警鐘
【韓国が見た日本】熊本の女子高生を救助した元Jリーガー、キム・ソンジュンの紆余曲折
連載|熊崎敬【蹴球日本を考える】新体制が始動! 「面倒な監督」ハリルホジッチが日本を変える?
【日本代表】ハリルホジッチ新体制・初陣メンバーの近況レポート|国外組編
【日本代表】ハリルホジッチ新体制・初陣メンバーの近況レポート|国内組編

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 唯一無二の決定版!
    2月15日発売
    2024 J1&J2&J3
    選手名鑑
    60クラブを完全網羅!
    データ満載のNo.1名鑑
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト いざW杯予選へ!
    3月8日発売
    元代表戦士、識者らと考える
    日本代表の現在地と未来
    2026年へのポイントは?
    J1&J2全クラブ戦力値チェックも
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 夏の移籍を先取り調査!
    3月21日発売
    大シャッフルの予感
    SUMMER TRANSFER
    夏の移籍丸わかり
    完全攻略本2024
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ