戦術どうこう以前に、出場できる18人を揃えることが先決だ
出場している選手に関しても、厳しいコンディションだ。鳥栖戦で負傷退場となったFWアレクサンドレ・ゲデスは試合後の会見で木山監督は痛みを抱えての強行出場だったことを明かしている。ここ数試合先発出場の続くFW長沢駿に関しても「ピッチの中で疲れていても出場し続けなければいけない状況はご覧の通りです。ケガしないようにケアしながら、何とか頑張って欲しという気持ちで送り出しています」と苦しい台所事情を語った。
「このシーズンずっとケガで悩まされてきています。一度(コロナ禍での自粛から)選手たちが帰って来て6週間くらいは良い形で過ごせたのですが、5~6試合経ってきた時、ケガ人が増えてきて、そこからは日替わりでケガ人が出てしまいました」と8月以降の苦難を語る木山監督。「しっかりボールを奪い、ボールを奪った時に自信を持って前進すること」という本来やりたいサッカーはあるが、今週末14日のG大阪戦に向けても「対ガンバと言うより、誰がピッチに立てるかをしっかり見極めたい」とまずは戦術どうこう以前に、出場できる18人を揃えることが先決だ。
リーグ戦も残り1か月と少し。コンディションが少しずつ自然と落ちてくることは避けられない時期であることも、事態を難しくさせている。「もちろんケガ人が少なくて順調なチームもありますし、(条件は)どこも同じです」と木山監督もどのチームも同じ条件でリーグ戦を戦っていることは認めた上で、最善の努力を尽くそうとしている。
どんな戦術でサッカーをやるにしてもまずはコンディションを整えなければ何も始まらない。残り試合で勝利を挙げるためには、監督だけでなくスタッフ総力を挙げて、少しでも選手のコンディションを上げて、90分間全力で戦える状況をつくり出すしかない。
取材・文●小林健志(フリーライター)