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【識者コラム】プライドを示した自己紹介に、誰もが行き着くスタイルを示唆…。新監督会見から読み取れたもの

カテゴリ:日本代表

加部 究

2015年03月14日

新監督はマジックを匂わせたわけではない。

指揮官は、記者会見で目指すべきスタイルを示唆したものの、それは決して真新しいものではない。(C) SOCCER DIGEST

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 歴史を俯瞰すれば、日本協会にとっても、これはひとつの節目になるのかもしれない。とにかく原博実氏が技術委員長に就任する前は、狭い世界で代表監督が決まって来た。ハンス・オフト、ジーコ、オシム各氏は、先に各クラブ(企業)が関係を築いた監督で、フィリップ・トルシエ氏にしても本命だったアーセン・ヴェンゲル経由の紹介だった。あまりに世界の情勢に疎く、会長の気紛れな一言で決まるような人事は、まるで説得力を欠いた。
 
 だが原―霜田体制に移行後は、二度の苦い経験を経たとはいえ、一貫して世界の事情に目を凝らし情報を収集し続けて来た。また代表を支えるのがクラブという明解な指針を示し、「クラブからは引き抜かない」ことを前提に人選を進めた。その結果「どんな時にも不測の事態に備えている」という原専務理事の言葉に、嘘がなかったことが証明された。
 
 新監督はマジックを匂わせたわけではない。「攻守にハードワークをして、タッチ数を制限し、スピーディだが緩急をつけたプレー」と、むしろ誰もが行き着く日本スタイルを示唆する。同監督が指揮したアルジェリアは、日本よりはるかにフィジカルをはじめとする個人能力が高かったので「最後はペナルティエリア内に3~4人くらいが絡む」攻撃で決定力を引き出そうと考える。
 
「数年前にはもっと良いプレーをしていたのに自信を失くしている選手がいるので、直接話して勇気づけたい」
 香川真司を思い浮かべているのは明らかだろう。
 
「私のノートには、たくさんのやるべきことが記されている」
 復活のカギは細部に宿る。そしてハリルホジッチ氏は、その細部を追求できる数少ない監督のひとりなのかもしれない。
 
文:加部究(スポーツライター)
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