序列変化、監督の新様式、ファン離れ…日本代表、欧州遠征にまつわる3つの重要ポイント

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2020年10月01日

代表監督は今後も継続的に欧州を拠点に仕事をした方がいい

日本代表の森保監督はしばらくは欧州で活動する予定だが、今後も継続的に欧州を拠点とした活動をした方が代表選手の現状を知るにはいいただろう。写真:サッカーダイジェスト

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 気になるポイントの2つめは、今後のA代表の活動指針だ。

 10月だけでなく、11月も欧州で強化試合を組み、その間、森保監督とスタッフがそのまま欧州に残って視察を続けるプランも出ているようだ。その方針はコロナ禍にかかわらず、今後も続けたほうがいいのではないか。

 つまり、すでにA代表の主軸大半は欧州組なのだから、A代表の監督とスタッフは欧州で仕事をすればいいのだ。都度、日本に帰ってくる必要はない。欧州に居たほうが、主軸選手とコミュニケーションを取りやすいし、練習を視察できる時間も増える。怪我の状態だって直接チェックできるし、メリットは多い。

 Jリーグの視察は他のスタッフに任せたり、あるいは日本国内で代表の試合を行なう時は、選手より前に帰国して準備を整えたりすればいい。欧州を軸とした新しい代表様式として、欧州拠点のA代表監督が根付いてもいいと思う。

 また副次的だが、栄枯盛衰の激しい欧州サッカーの生の情報に、日本代表監督がタッチしやすい環境を作ることも大事だ。勤勉なJリーグの指導者は、シーズンオフに欧州クラブを視察して様々な学びを得て来るが、海外チームと戦うことが前提である代表監督こそ、そうした国際的環境に、日頃から身を置くほうがよいのではないか。

 JFAの関係者は、欧州サッカーで仕事をした経験のある指導者やクラブスタッフが日本へ帰国すると、その人と連絡を取り、精力的に知見を得ようとしている。だが、そうした知見が新しい知識であるのは最初の1年程度で、数年経てば、それは一昔前の知識に劣化してしまう。生の情報に触れ続けるのは大事なことで、A代表の監督とそのスタッフこそ、最先端の場所に居を構えたほうがいい。この欧州遠征が、新しい代表監督様式を定着させるきっかけになればいいと思う。
 
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