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久保建英の選択を検証する―― “ちょうどいい”条件が揃うビジャレアルは理想的な環境だ

カテゴリ:海外日本人

西部謙司

2020年09月24日

マドリーでプレーするよりレギュラー確保のチャンスが大きいが…

 クラブの躍進は1997年のフェルナンド・ロイグ会長就任に始まる。もともとバレンシアのファンで大株主だったロイグが、当時2部のビジャレアルの会長になったのは、経営する世界的タイルメーカー『パメラ・セラミカ』の工場が近郊にあり、また知人に勧められたからという、かなりあっさりした理由なのだが、就任後は大規模な補強や育成改革に着手。2005-2006シーズンには初出場のCLでベスト4、さらに2007-2008シーズンにはラ・リーガで過去最高位の2位と、まさしくシンデレラストーリーを実現した。
 
 ロイグ会長は世界的な資産家である。ビジャレアルはビッグクラブではないが、リッチクラブなのだ。だから創意と工夫でのし上がってきたスモールクラブというのは美しい誤解である。かつて所属していたファン・ロマン・リケルメやディエゴ・フォルランなども、資金力があればこそ獲得できたのだ。ただ、潤沢な資金を的確に投資してきたのも確かで、定評のある育成をはじめ、地に足のついた強化を続けてきた。
 
 今季はバレンシアの主将だったダニエル・パレホが中盤に加わり、前線には今季のスペイン人得点王、ジェラール・モレーノがいる。久保がポジションを争うのはサムエル・チュクウェゼ、モイ・ゴメス、マヌ・トリゲロスあたりになりそうで、レギュラーを確保されているわけではないが、マドリーでプレーするよりはチャンスが大きいのは間違いない。
 
 結局のところ、若い伸び盛りの選手にとっては実戦を積み重ねることが何より大切だ。さらに良い環境と適度な競争が必要だが、その点でビジャレアルはかなり理想的ではある。
 
文●西部謙司(サッカージャーナリスト)

※『サッカーダイジェスト9月10日号(8月27日発売)』より転載

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