かなりの低評価を下されてもおかしくはなかった終盤のシーン
そして、そんな折に久保は、77分にパコ・アルカセルに代わって投入。チュクウェゼや左サイドハーフのモイ・ゴメスとともに、鋭いコンビネーションを見せる場面もあったが、全体的には1人でどうにかしようとする傾向が強く、空回りした。終了間際には久保が1人で無理な打開を試みたところから、ロングカウンターを食らい、チームをピンチに陥れた。1-1だったので、あの流れで失点していれば、久保はかなりの低評価が下されたはず。攻撃時のシンプルなコンビネーションの構築は、久保のみならず、ビジャレアルにとっても大きな課題になりそうだ。
また、ビジャレアルは高い位置からの守備もハマっておらず、ウエスカの先制シーンのように外されてしまう場面が目立った。これも課題の一つだろう。
プレシーズンマッチのレアル・ソシエダ戦を思い返すと、ビジャレアルは久保が絡むプレッシングからボールを奪い、ショートカウンターでフランシス・コクランがゴールを奪う場面があった。久保はそうした連動したプレスでも良いポジションを取れるので、今後、久保が安定してスタメン出場を掴むとしたら、守備の改善というところにも糸口はありそうだ。
文●清水英斗(サッカーライター)
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