「力が尽き果てるくらい、残りのサッカー人生で全力を出し切る」
複数のクラブからのオファーや打診を受けたなかで、稲本が最終的に札幌を選んだ理由も、真っ先に声を掛けたクラブへの印象の良さが大きかったようだ。代理人を務める日本サッカー協会公認選手エージェントの田邊伸明氏は、昨年末を振り返ってこう語る。
「お話を頂いた他クラブが札幌よりも劣っていたとかそういうわけではまったくなく、シンプルに札幌からのオファーが稲本選手の心に響いたということだと思います」
ここ数年は毎年のように同世代の選手がユニホームを脱ぎ、セカンドキャリアへと足を進めていく。そうした姿を見ていくなかで稲本は「身体がボロボロになるまでサッカーがしたい、そう強く思うようになっていった」。
そして「『もう無理だ……』と力が尽き果てるくらいに、残りのサッカー人生で全力を出し切りたい」と自らのすべてを捧げる想いで、札幌の地へと赴き、長いキャンプにもポジティブに取り組んでいる最中である。
この2015年、稲本が掲げる目標は、まずは「チームのJ1昇格に貢献すること」ではあるが、個人としては全試合出場を掲げている。
「時折、120点のプレーを見せるよりも、年間を通して80点台のプレーを発揮して、すべての試合に出てチームに貢献したい」
ここまでのキャリアでは、日本代表をワールドカップで初のグループリーグ突破に導くロシア戦の決勝ゴールや、マンチェスター・ユナイテッドを相手に決めたゴールなど、インパクトのあるプレーでその存在を世に知らしめてきた。
しかし、35歳で新たに挑むシーズンは、インパクトよりも、ハイアベレージの好プレーで赤黒のサポーターにその存在を見せつけていく。
取材・文:斉藤宏則(スポーツライター)
「お話を頂いた他クラブが札幌よりも劣っていたとかそういうわけではまったくなく、シンプルに札幌からのオファーが稲本選手の心に響いたということだと思います」
ここ数年は毎年のように同世代の選手がユニホームを脱ぎ、セカンドキャリアへと足を進めていく。そうした姿を見ていくなかで稲本は「身体がボロボロになるまでサッカーがしたい、そう強く思うようになっていった」。
そして「『もう無理だ……』と力が尽き果てるくらいに、残りのサッカー人生で全力を出し切りたい」と自らのすべてを捧げる想いで、札幌の地へと赴き、長いキャンプにもポジティブに取り組んでいる最中である。
この2015年、稲本が掲げる目標は、まずは「チームのJ1昇格に貢献すること」ではあるが、個人としては全試合出場を掲げている。
「時折、120点のプレーを見せるよりも、年間を通して80点台のプレーを発揮して、すべての試合に出てチームに貢献したい」
ここまでのキャリアでは、日本代表をワールドカップで初のグループリーグ突破に導くロシア戦の決勝ゴールや、マンチェスター・ユナイテッドを相手に決めたゴールなど、インパクトのあるプレーでその存在を世に知らしめてきた。
しかし、35歳で新たに挑むシーズンは、インパクトよりも、ハイアベレージの好プレーで赤黒のサポーターにその存在を見せつけていく。
取材・文:斉藤宏則(スポーツライター)