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仏有名紙のマルセイユ番記者が語る、“33歳・長友佑都”というサプライズ「“死後の霊”が出現したようなもの」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

マテュー・グレゴワール(『L'Equipe』紙マルセイユ番記者)

2020年09月09日

愛着を感じさせる人柄にファンも魅かれ始めている

背番号は「25」に決定。やはり“5番”には想い入れがあるようだ。(C)Getty Images

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 ナガトモはこうしたプロフィールを持っていない。まるでない、と言い換えてもいい。皆が驚いたのももっともである。しかも彼は、クラブ生え抜きのクリストファー・ロキア(22歳)のポジションまで奪ってしまったのだから、なおさらだ。

 このため、ナガトモの入団が正式発表された8月31日、約8割のサポーターは疑念に駆られ、残り2割ほどは臆しながら歓迎の姿勢を示した。

 彼のクオリティーが非難されたわけではない。俊敏性、闘魂、キック力や精度などは知られており、日本代表で122キャップもの経験を積んでいることもリスペクトされていた。だが“マルセイユ信者”にしてみれば、「なんで2012年ではなく2020年のリクルートなのか?」という気持ちだったのである。

 とはいえ、日が経つにつれて、ファンはナガトモを受け入れ始めた。

 彼らはまず、サイドバックとしての豊富な経験、バックアッパーの役割などを強調したアンドレ・ヴィラス=ボアス監督の説明に耳を傾けた。ナガトモは、「ナンバー1」と位置づけられたジョルダン・アマビを安心させ、シーズンで15試合程度をプレーすることだろう。そして、このポジションに、パトリス・エブラが退団した2017年11月以来マルセイユから消えてしまっていた健全な競争というものを、少しはもたらしてくれることだろう!

 そもそもナガトモは(移籍金)フリーで到来し、1年というミニ契約のため、財政的にさほど重い負担にならない。このおかげでクラブは、厚い金額入りの“封筒”を重要なアタッカー購入に使えることになる。こちらは若い選手にする予定だ。

 2004-05年シーズンに、コウジ・ナカタ(中田浩二)が“大失望”で終わった後、マルセイユのサポーターたちは、日本人フットボーラーにあまりいいイメージを持っていなかった。だが、2016年にやってきて、勇敢さと非の打ちどころないメンタリティーをみせているヒロキ・サカイ(酒井宏樹)のおかげで、彼らは日本のフットボールと“和解”した。

 したがって、まぶしいほど輝かなくても、ナガトモもサカイのように勇敢なら、それだけで評価を勝ち取れるだろう。しかも、カリスマ的で愛着を感じさせる人柄、ユーモア感覚、外国語のこなし方などは、すでに興味の対象になり始めている。

 ここ、マルセイユでは、異形の人々(ちょっと変人で型にはまらない人々の意味。マルセイユ人自身が愛すべき「ファダ=狂人」を自認している)を愛するのだ。

 私自身も記者会見の際、オープンで、気楽で、笑いながら喋るナガトモを発見した。ガラタサライでもそうだったように、マルセイユのロッカールームでもそれらが評価されるだろうと、私は確信している。

取材・文●マテュー・グレゴワール(『L’EQUIPE』マルセイユ番記者)
コーディネート&翻訳●結城麻里
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