決して平坦ではなかったこれまでの道のり。山瀬を突き動かすモノとは…
5連戦の2試合目。連戦下で迎えた町田戦は、リーグ再開初戦・徳島ヴォルティス戦以来となる先発出場のチャンスだった。任されたポジションは、2シャドーの一角。その中での記録達成は偉業以外の何物でもないが、山瀬本人はシーズンを追うごとに年々重みが増す記録に対して、それを続けなければならないといった過度なプレッシャーは感じていないという。むしろあるのは、攻撃的な選手である以上、目に見えた結果が欲しいというゴールへの飢え。近年はボランチで起用されることも多いなか、本来の前めのポジションで起用されている以上、目に見える結果だけを追い求めていた。
「基本的には攻撃的なポジションをメインにやってきた選手なので、攻撃的なポジションで出ている以上、点を取るのは必要なことです。シーズンを通して、無得点という結果を残してしまうと、シーズンの振り返りで攻撃的な選手に対しての評価として、いいプレーが多かったとしても、それは評価しづらいでしょう。ポジション的には、点を取ることがマストだと思っています」
攻撃的なポジションの選手として、ただ必要とされる結果を残したまで。偉大なる記録更新も、純粋に結果を希求する延長線上でしかなかった。
とはいえ、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。「1か月近くの離脱は久しぶり」だったことで完全復活に向けて、「探り探りやってきた」。そうして11節のモンテディオ山形戦でケガ明けから8試合ぶりに公式戦復帰を果たすと、コンスタントに出場時間を重ねつつ、町田戦で先発に返り咲いた。どこまでゲーム体力が持つか分からないなかで、「いけるところまでいこう」と75分に交代するまで、ニンスタのピッチを駆け回った。
「基本的には攻撃的なポジションをメインにやってきた選手なので、攻撃的なポジションで出ている以上、点を取るのは必要なことです。シーズンを通して、無得点という結果を残してしまうと、シーズンの振り返りで攻撃的な選手に対しての評価として、いいプレーが多かったとしても、それは評価しづらいでしょう。ポジション的には、点を取ることがマストだと思っています」
攻撃的なポジションの選手として、ただ必要とされる結果を残したまで。偉大なる記録更新も、純粋に結果を希求する延長線上でしかなかった。
とはいえ、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。「1か月近くの離脱は久しぶり」だったことで完全復活に向けて、「探り探りやってきた」。そうして11節のモンテディオ山形戦でケガ明けから8試合ぶりに公式戦復帰を果たすと、コンスタントに出場時間を重ねつつ、町田戦で先発に返り咲いた。どこまでゲーム体力が持つか分からないなかで、「いけるところまでいこう」と75分に交代するまで、ニンスタのピッチを駆け回った。
9月22日には39歳になる。『40』の大台まであと1年。歴史の歩みを止めずに、プロ21年目もゴールを記録した男を突き動かしている原動力は、いったい何なのだろうか。
「まずシンプルにこの歳ですから、いつサッカー人生が終わるか分からない状況のなかでプレーしているというよりも、プレーをさせてもらっているという感覚が強いです。昨年、今年とプレーをさせてもらえる機会を作っていただいている愛媛FCをはじめ、愛媛の方を含め、感謝というか、ありがたさを感じながらプレーをしています。そのなかで少しでもチームの力になれるように、という思いを持ちながらプレーしています。目に見えない形でも、どんな形でもいいので、チームにとって少しでもプラスになればいいな、という思いでやらせてもらっています」
原動力は愛媛に対する感謝の思い――。かつて稀代のドリブラーとして名を馳せ、J1名古屋グランパスの前田直輝が少年時代、「すごく憧れていた」という名プレーヤーの輝きは、まだまだ色褪せる気配がない。
取材・文●郡司 聡(フリーライター)
「まずシンプルにこの歳ですから、いつサッカー人生が終わるか分からない状況のなかでプレーしているというよりも、プレーをさせてもらっているという感覚が強いです。昨年、今年とプレーをさせてもらえる機会を作っていただいている愛媛FCをはじめ、愛媛の方を含め、感謝というか、ありがたさを感じながらプレーをしています。そのなかで少しでもチームの力になれるように、という思いを持ちながらプレーしています。目に見えない形でも、どんな形でもいいので、チームにとって少しでもプラスになればいいな、という思いでやらせてもらっています」
原動力は愛媛に対する感謝の思い――。かつて稀代のドリブラーとして名を馳せ、J1名古屋グランパスの前田直輝が少年時代、「すごく憧れていた」という名プレーヤーの輝きは、まだまだ色褪せる気配がない。
取材・文●郡司 聡(フリーライター)