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あのブラジル人J戦士はいま【第5回】サンパイオ――チッチ代表監督の右腕として「現役時代に果たせなかったW杯制覇の夢を」

カテゴリ:Jリーグ

沢田啓明

2020年08月22日

チッチはなぜサンパイオに声を掛けたのか?

セレソンでは闘将ドゥンガ(左)とダブルボランチを組み、中盤を支えた。(C) Getty Images

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 ラジオとテレビの解説者を務めた後、2019年10月、チッチ監督に請われてブラジル代表のコーチに就任した。
 
 サンパイオを招聘した理由について、チッチは、「ブラジル・サッカー連盟が主催する監督ライセンス取得のための講習会で出会ったのだが、フットボールに関する知識が非常に深い。誠実な人柄だが、柔軟性もあり、自分の考えとも共通する部分が多かったから」と説明する。

 これに対し、サンパイオは、「現役時代にプレーして愛着があるセレソンにコーチとして戻ってこれて、非常に光栄」と前置きすると、「コロナ渦のため国内外で試合ができない状況が続いたが、ようやく多くの国でシーズンが再開され、選手を視察できるようになった」と顔をほころばせる。

「現在のセレソンの目標は、まずは2022年ワールドカップの南米予選を突破すること。当面、予選は今年10月に始まる予定だが、厳しい戦いになるのは間違いない」として、「選手個々の現時点の能力と潜在能力、そして彼らが互いにもたらす化学反応を見極め、チッチが目指すチームを作り上げるために全力を尽くす」と抱負を語る。

そして、「自分が現役時代にあと一歩のところで果たせなかったW杯制覇の夢を、今度こそコーチとしてかなえたい」と闘志を燃やす。

 思慮深い一方で、内に情熱を秘め、ブラジル人らしい陽気さもある。チッチの右腕として、現役時代同様、セレソンで重要な役割を果たすことが期待されている。
 
文●沢田啓明
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