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高校年代の新リーグ、開幕戦で静岡学園と尚志が激突! 久しぶりの実戦が生んだ“大きな価値”

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2020年07月25日

「選手たちもこういうゲームで成長をする」

尚志の2年生CBチェイス・アンリもこの一戦に意義を見出している。写真:安藤隆人

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 一方の静岡学園も、「ボールを握ることを意識してやって来たなかで、思ったよりできた」と川口修監督が笑顔を見せたように、久しぶりの本格的な試合で3失点こそしたが、2年生を多く起用したなかで、ボールを意図的に動かしてリズムを作り出したチームに合格点を与えた。

 昨年のレギュラーはプロ注目のDF田邉秀斗と、選手権決勝で同点弾を放ったFW加納大、GK野知滉平の3人。しかし、前述したように188cmの大型CB伊東進之輔、右サイドバックの清水、ボランチの玄理吾、180cmのFW松永颯汰と期待の2年生がそれぞれの持ち味を発揮した。

 そのうえ2年生MF菊池柊哉が途中投入されると、さらにボール回しにアクセントが加わり、エース加納も途中出場で前線を活性化。ほぼぶっつけ本番の状態だったが、個性が見事に噛み合い、『静学スタイル』を表現できのたは、川口監督が言うように明るい材料になったことは間違いない。

 何より印象的だったのが、試合後の両チームの選手、監督の表情だった。久しぶりの実戦から来る疲労感とともに、1試合を戦い抜いた充実した表情があった。
 
「今日みたいな緊張感のある試合がなかなかできないなかで、こういう機会を作っていただいてやれたのは皆さんに感謝しかありません。選手たちもこういうゲームで成長をする。練習試合ではなく、本番の緊張感のなかでやれるのは本当に大きい」(仲村監督)。

「紅白戦だけでは分からないことが見えてくる。尚志は公式戦さながらに勝ちに来ていたし、カウンターであれだけ鋭く持ち込まれてゴールを決められる。あの速さと強度をここで経験できたことは大きいし、選手たちの気づきを得られたのは僕らにとってプラス」(川口監督)。

 試合の結果以上にこの一戦が両チームに与える影響は大きかった。やはり本気の実戦こそが、選手たちの成長に直結する。予断を許さないコロナ禍の状況だけに、1試合の価値がこれまでとは違った。

「インターハイなどが無くなった分、こういう試合でしっかりとアピールしたいと思っていますし、実際にプレーをしてみて注目度が高いと感じました。スカウトの人たちが来ているので、1つ1つのチャンスを無駄にしないようにしています」とアンリも口にしたように、この一戦に意義を見出しているのは選手、監督だけではなく、Jクラブや大学などのスカウトも同じ。選手を緊迫した環境下の試合で見る機会が限られているからこそ、鋭い目線がピッチに飛んでいた。

 それぞれが価値を噛みしめながら臨んだ『ULTIMA FOOTBALL LEAGUE』開幕戦。前述した通り、決して楽観できる状況ではないが、試合を通じて成長する意味を改めて感じる一戦となった。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 
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