昨冬選手権4強、矢板中央の地道なスカウト活動の舞台裏。セレクションでのGPS機器導入に込めた想いとは?

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2020年07月25日

セレクションに最新機器を導入したワケ「着けてプレーすることを知るだけで意味がある」

セレクションでは、選手たちはGPS機器を着用して臨んだ。写真:松尾祐希

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 そうした取り組みが実を結び、7月23日に開催された1回目のセレクションには、約80名の選手が参加。予防対策を取った上で、ゲーム形式のトレーニングから子どもたちの動きをチェックした一方で、金子コーチは練習会でも子どもたちに刺激を与える新たな取り組みを講じた。走行距離やスプリント回数などが計測できるGPS機器をGK以外の選手全員に身に付けさせ、新たな世界を体感させたのだ。

 矢板中央では日頃の練習で、ジェイ・エス社が販売するGPS機器・“SPT”を使用。その関係から、金子コーチは同社に協力を要請して実現した。今でこそ高体連の強豪校やJユースが使うようになっているが、中学年代でこの機器を使用する機会はほぼない。もちろん、セレクションで用いるのも前例がなかった。そうした中でも取り入れたのは、選手たちのデータを細かく取りたかったからではない。金子コーチは取り組みの狙いをこう話す。

「セレクションで使ったのは、データを活用した強化策の普及です。もちろん費用がかかるので簡単ではないのですが、新たな施策の環境作りができればいいですし、中学年代からデータの活用がスタンダートになって欲しいと思ったんです。僕たちの知識も浅く、機器が良くてもデータを効果的に落とし込めているかも分かりません。ただ、GPSの機器が導入されて選手一人ひとりの課題解決や成長に繋がるのであればいいですよね。セレクションでも機器を装着したことがない子どもたちがほとんどなので、着けてプレーすることを知るだけで意味があります。プロの選手はこれを使って練習をしています。トッププレーヤーになった時にデータを使うと理解し、知る機会も大事だと思ったんです」 

 新たな世界を知れば、結果に関係なく選手たちの刺激になる。今回のセレクションで取ったデータを直接合否に結び付けなかったのも、そのためだった。

 コロナ禍で行なわれた今回のセレクション。事前の準備と練習会当日の新たな試みは子どもたちにとって有益だったに違いない。新たな挑戦を続ける矢板中央はピンチをチャンスに変え、これからも未来ある子どもたちに寄り添っていく。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)
 

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