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“育成の名門”ドルトムントの光と闇――加入決定の超逸材ベリンガムはサンチョらと同じ道を辿れるか

カテゴリ:メガクラブ

遠藤孝輔

2020年07月24日

ヤヌザイやエムレ・モルはインパクトを残せずに…

同胞の先達サンチョ(右端)やハキミ(5番)のようにベリンガムがドルトムントでブレイクを果たすか。(C) Getty Images

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 ドイツ国外からやって来たタレントでは、攻撃的MFのアドナン・ヤヌザイ(加入時20歳)、ウインガーのエムレ・モル(同18歳)、セントラルMFのミケル・メリーノ(同20歳)、ストライカーのアレクサンダー・イサク(同17歳)などがインパクトを残せないまま、ジグナル・イドゥナ・パルク(ドルトムントの本拠地)を後にしている。いずれも相応の出番は得ていたものの、純粋にチーム内の定位置争いで敗れた格好だった。

 17年のU-17ワールドカップでシルバーボールに輝き、18年1月に鳴り物入りで加入したスペイン人アタッカーのセルヒオ・ゴメスも、同じ2000年生まれのサンチョのようには成長できていない。19-20シーズンはレンタル先のウエスカ(スペイン2部)で実戦経験を積んだが、はたして来季のドルトムントに俊英の居場所はあるだろうか。

 ドルトムントのミヒャエル・ツォルクSDはベリンガムを即戦力と見なす一方で、前所属先となるバーミンガム(ドルトムントには7月30日に合流)に比べれば、チーム力もリーグレベルもはるかに上という環境に慣れさせるべく、相応の適応期間を与えることを明言している。まずは新しいカルチャーに慣れなければならない。
 
 12年夏に弱冠19歳でドルトムントに加入するも、3シーズンの在籍で一度もトップチーム衆生がなかったオーストラリア代表のムスタファ・アミニは先日、ドイツメディア『Spox』のインタビューでかつての戸惑いをこう回想している。

「当時の僕はオーストラリアで最高の選手のひとりだった。だれからもそう見られていたよ。そしてドルトムントで突然、多くの選手のひとりになった。難しかったね。それに準備の仕方も違った。6時半に起床して、バスに乗る。1000メートル走を6本してからストレッチ。氷水に浸かって、30分の睡眠。そしてトレーニング。すごくタフだったけど、(ドルトムントで成功できなかった)言い訳はしないよ」

 監督が異なる現在は当時とトレーニングの仕方が異なるが、ベリンガムがバーミンガム時代とはまた違ったルーティンでサッカーに打ち込むことになるのは確か。セントラルMFとサイドアタッカーをこなすダイヤモンドの原石は、はたして同胞であるサンチョのように眩い輝きを放つことになるだろうか。

文●遠藤孝輔

【動画】ベリンガムの凄さが分かる!バーミンガムが公開したプレー分析ムービーはこちら
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