「良い守備から、良い攻撃へ」

山形から今季加入したDFの加賀健一。連続無失点の要因を「前線の選手がハードワークして追っかけてくれる」と話す。写真:竹内松裕

FWの齋藤恵太は、秋田の前線の守備を象徴するひとりだ。写真:竹内松裕
吉田監督は常々、目指すサッカーのあり方として「良い守備から良い攻撃」を挙げている。これは「良い攻撃から良い守備」とも言い換えられるだろう。
吉田監督はダブルボランチの4-4-2のフォーメーションを採用。全体がコンパクトな陣形を保ち、ボール非保持時は、ボールと相手の状況を見ながらスライドを繰り返して相手にプレッシャーを与える。ボールを失えば、最初の守備者が厳しいチェックを行なって相手の勢いを封じ、相手が整わないうちに鋭いカウンターに移行する。たとえ秋田のボール保持率が高くなかったとしても、相手は気を抜けないはずだ。「縦に速い」「前線にロングボールを蹴る」と表現される吉田監督のサッカーは、選手一人ひとりがチームのために走ることで成立している。
そしてコンパクトな陣形を実現する要素のひとつが前線の守備だ。モンテディオ山形から加入したDFの加賀健一は、5試合連続無失点の要因を「前線の選手がハードワークして追っかけてくれる。それを90分通して、交代枠も含めてみんなが徹底して続けてくれる」と指摘する。
FWの齋藤恵太は、秋田の前線の守備を象徴するひとりだ。並走するDFを置き去りにするほどのスピードを武器に、開幕戦でいきなり2ゴール挙げた齋藤は、その脚力を守備でも発揮。最初の守備者として、相手DFや中盤などボールの出どころのチェックを怠らない。開幕戦以降は決定機から遠ざかっているが、前線で5試合連続スタメン出場を果たしているのは齋藤のみ。このことからも、吉田監督が厚い信頼を置いているのは疑いようがない。
吉田監督はダブルボランチの4-4-2のフォーメーションを採用。全体がコンパクトな陣形を保ち、ボール非保持時は、ボールと相手の状況を見ながらスライドを繰り返して相手にプレッシャーを与える。ボールを失えば、最初の守備者が厳しいチェックを行なって相手の勢いを封じ、相手が整わないうちに鋭いカウンターに移行する。たとえ秋田のボール保持率が高くなかったとしても、相手は気を抜けないはずだ。「縦に速い」「前線にロングボールを蹴る」と表現される吉田監督のサッカーは、選手一人ひとりがチームのために走ることで成立している。
そしてコンパクトな陣形を実現する要素のひとつが前線の守備だ。モンテディオ山形から加入したDFの加賀健一は、5試合連続無失点の要因を「前線の選手がハードワークして追っかけてくれる。それを90分通して、交代枠も含めてみんなが徹底して続けてくれる」と指摘する。
FWの齋藤恵太は、秋田の前線の守備を象徴するひとりだ。並走するDFを置き去りにするほどのスピードを武器に、開幕戦でいきなり2ゴール挙げた齋藤は、その脚力を守備でも発揮。最初の守備者として、相手DFや中盤などボールの出どころのチェックを怠らない。開幕戦以降は決定機から遠ざかっているが、前線で5試合連続スタメン出場を果たしているのは齋藤のみ。このことからも、吉田監督が厚い信頼を置いているのは疑いようがない。
まだ5試合、されど5試合。ここまではポジティブな要素が多いとはいえ、「好事魔多し」という言葉もある。何しろまだリーグ戦は29試合残っている。いつか失点するときが来る。敗れるときも来る。今後も秋田が勝ち進めば、J3リーグ全体に秋田包囲網のような空気が漂い始めるだろう。他チームの対策も進むはずだ。17年シーズンがそうだったように。
吉田監督は連勝にも無失点にも浮かれることなく「勝つことが大事」だと断言し、「目の前の一試合一試合に全力を注ぐ」ために、ひたむきに練習に取り掛かる。指揮官の姿勢に呼び起こされるように、チーム内競争が高まっている様子もうかがえる。J2昇格に向けて壁が厚く高くなるほど、このチームはその壁を登るための力を発揮するのではないか。取材を通じてその様子を見ているからこそ、そう思わずにはいられない。
取材・文●竹内松裕(フリーライター)
吉田監督は連勝にも無失点にも浮かれることなく「勝つことが大事」だと断言し、「目の前の一試合一試合に全力を注ぐ」ために、ひたむきに練習に取り掛かる。指揮官の姿勢に呼び起こされるように、チーム内競争が高まっている様子もうかがえる。J2昇格に向けて壁が厚く高くなるほど、このチームはその壁を登るための力を発揮するのではないか。取材を通じてその様子を見ているからこそ、そう思わずにはいられない。
取材・文●竹内松裕(フリーライター)