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高校年代の最高峰リーグはなぜ中止になったのか? その舞台裏と、1年限定で発足した新リーグとは?

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2020年07月11日

レギュレーションや開催時期の詳細は各地域が適宜判断していく方針に

今回は1年限定の新方式の大会となるが、「選手たちに公式戦を」との想いから実現に漕ぎつけた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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「プロを目指すにしても、大学に進学するにしても公式戦ができていないので、選手たちが気の毒な状況になっている。僕たちがなんとしてでも大会やプレー環境を守らないといけない」(林氏)

 万が一、開催の判断を後ろに倒せば、新たな大会を準備する時間が取れない。そうなると、今度は代替のリーグ戦を行えない可能性が出てしまう。結果的に身動きが取れなくなれば、選手たちは公式戦を戦えない。それを避けるために早い段階でプリンスリーグに吸収する形をとったのだ。

 公式戦の新設により、都道府県のリーグ戦も含めて再開できる骨子が固まった。いずれも昇降格を設けない形になるが、選手たちにとって公式戦の実施は希望になるはずだ。

“新”プリンスリーグについては現在詳細を詰めている段階だが、リーグの主な方針はJFA(日本サッカー協会)側で策定した。例えばAチームとBチームがプレミアリーグとプリンスリーグに所属する青森山田、鳥栖U-18については、各地域やチームの判断で同じリーグに所属することを認めた。

 また、レギュレーションなどは各地域が適宜判断していく。リーグの開幕は8月下旬を基準にしているが、各地域の状況次第ではスタート時期を前後させることも可能。リーグ戦の方式についても地域ごとに策定できる見込みだ。関東は参加チーム数の関係で、従来のプレミアリーグ(8チーム)とプリンスリーグ(10チーム)の枠組で戦う予定。同様に合計14チームが所属する関西も7チームずつに分ける方針で、奇数による不都合を避けるために昨季までプリンスリーグに所属していたチームを特例で参加させる施策も検討中だという。

 そのほかのルールも各地域で定め、交代枠は無制限にならない範囲で決めてもらい、選手のメンバー登録枠についても柔軟に対応する。

 新型コロナウイルスが発生した場合の処置についても、JFAと各地域サッカー協会が試合に関わる全ての人の健康と安全を守ることを第一に考えた決まり事を共有したうえで動いていく。

「様々なケースがあるので、地域ごとに対応していきます。ただ、基本的な考えとしては感染者が出て全てのリーグを止めるのではなく、安全を担保した上でなるべく開催していきたい。何チームも感染者が出てしまうと考えないといけませんが、基本的には状況に応じて各地域の担当者が協会に相談をするように伝えています」(林氏)

 未曾有の危機と向き合いながら、開催にこぎつけた育成年代のリーグ戦。簡単な決断ではないが、全ては選手たちのためにある。開幕延期から約3か月。新型コロナウイルスに気を配りながら、日本サッカーの未来を担う若者たちの時間が動き出す。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)
 
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