パストーレの投入がもう少し早ければ…。

果敢にスルーパスを狙うなど、危険な場面を作り出したパストーレ。投入がもう少し早ければ、違った結果になっていたかもしれない。 (C) Getty Images

1点は許したものの、ビッグセーブを再三見せたクルトワ。マン・オブ・ザ・マッチに値するのは、このチェルシーの守護神だ。 (C) Getty Images
4)パリSGの変貌
チェルシーが注文通りの展開でアウェーゴールを挙げ1-0で迎えた後半は、パリSGが攻撃の圧力を高めて主導権を握り、チェルシーは自陣に押し込められて守勢一方という展開になった。
54分の同点ゴールもクロスから。左サイドをオーバーラップしたマテュイディが折り返し、エリア中央に入り込んだカバーニが頭で合わせた。この時エリア内にはチェルシーのDFが4人揃っていたにもかかわらず、カバーニは半径1メートル以内に誰もいない「どフリー」の状態。カバーニが目の前に入ってきたのに捕まえず、後退したテリーの振る舞いはまったく不可解だった。
5)パストーレ投入の遅れ
その後もパリSGは一方的な攻勢を続ける。59分にはイブラヒモビッチがドリブル突破からGKと1対1になる場面を作り出すが、またもクルトワのスーパーセーブに阻まれ、ゴール正面でそのこぼれ球を拾ったラベッシのシュートもDFに当たってゴールの外へ。
ブラン監督が交代のカードを切ったのは残り10分を切ってから。明らかに疲れが見えるラベッシに代えて、故障を抱えて完調ではないパストーレを投入した。
パストーレはバイタルエリアに入り込んでスルーパスを狙うトップ下的なプレーで中央をこじ開けようとするなど、攻撃にアクセントをもたらし、危険な場面を何度か作り出した。体調の問題があったにしても、もう少し早い時間に投入できていれば、違った結果になっていたかもしれない。
オーリエ、キャバイエ、T・モッタ、ルーカスという4人を故障で欠いていたこともあり、他に有効な交代のカードがなかったのも響いた。
6)マン・オブ・ザ・マッチはクルトワ
チェルシーは後半1本もシュートを打たずに終わったが、リスクを最小限に抑えてアウェーゴールをもぎ取り、引き分けを持ち帰ったのだから結果としては上出来。パリSGは一方的に攻め続けた後半(ボール支配率は63パーセント)の内容からすれば、2点目を決めて勝つべき試合だった。
それを阻んだのは、前半、後半に各2回(ロスタイムにもイブラヒモビッチがヘディングシュートを放った)、決定的なシュートをビッグセーブで防いだクルトワ。マン・オブ・ザ・マッチは、両チームともに攻撃陣が精彩を欠いた中で、最も際立った活躍を見せたチェルシーの守護神だろう。
文:片野道郎
チェルシーが注文通りの展開でアウェーゴールを挙げ1-0で迎えた後半は、パリSGが攻撃の圧力を高めて主導権を握り、チェルシーは自陣に押し込められて守勢一方という展開になった。
54分の同点ゴールもクロスから。左サイドをオーバーラップしたマテュイディが折り返し、エリア中央に入り込んだカバーニが頭で合わせた。この時エリア内にはチェルシーのDFが4人揃っていたにもかかわらず、カバーニは半径1メートル以内に誰もいない「どフリー」の状態。カバーニが目の前に入ってきたのに捕まえず、後退したテリーの振る舞いはまったく不可解だった。
5)パストーレ投入の遅れ
その後もパリSGは一方的な攻勢を続ける。59分にはイブラヒモビッチがドリブル突破からGKと1対1になる場面を作り出すが、またもクルトワのスーパーセーブに阻まれ、ゴール正面でそのこぼれ球を拾ったラベッシのシュートもDFに当たってゴールの外へ。
ブラン監督が交代のカードを切ったのは残り10分を切ってから。明らかに疲れが見えるラベッシに代えて、故障を抱えて完調ではないパストーレを投入した。
パストーレはバイタルエリアに入り込んでスルーパスを狙うトップ下的なプレーで中央をこじ開けようとするなど、攻撃にアクセントをもたらし、危険な場面を何度か作り出した。体調の問題があったにしても、もう少し早い時間に投入できていれば、違った結果になっていたかもしれない。
オーリエ、キャバイエ、T・モッタ、ルーカスという4人を故障で欠いていたこともあり、他に有効な交代のカードがなかったのも響いた。
6)マン・オブ・ザ・マッチはクルトワ
チェルシーは後半1本もシュートを打たずに終わったが、リスクを最小限に抑えてアウェーゴールをもぎ取り、引き分けを持ち帰ったのだから結果としては上出来。パリSGは一方的に攻め続けた後半(ボール支配率は63パーセント)の内容からすれば、2点目を決めて勝つべき試合だった。
それを阻んだのは、前半、後半に各2回(ロスタイムにもイブラヒモビッチがヘディングシュートを放った)、決定的なシュートをビッグセーブで防いだクルトワ。マン・オブ・ザ・マッチは、両チームともに攻撃陣が精彩を欠いた中で、最も際立った活躍を見せたチェルシーの守護神だろう。
文:片野道郎