"5失点"にふたりのベテランが示し続けた"失うべきではない姿勢”
長崎から期限付きで加入し、新潟デビューとなった島田はアンカーに入った。左の深いスペースに送り込まれたボールを判断よく回収すると、大きく前方に蹴るふりをしてGK藤田和輝にパスを送った。雨でピッチは滑りやすく、藤田はゴールを背に立っていたが、島田の強いグラウンダーのバックパスは、恐れずボールをつないで攻める姿勢をチームに思い出させたはずだ。また、プロ2年目で出場2試合目の藤田は、前半、ペナルティエリアを飛び出しながらクリアをミスし、失点の原因をつくっていた。若いGKを叱咤し、鼓舞する気持ちも込められていただろう。
昨年、28得点を挙げ、J2リーグ得点王となったレオナルドが浦和に移籍し、危惧されたチームの攻撃は、劇的な変化を見せている。3試合連続での3得点で、全得点の内訳を見ると、渡邉新太、ファビオのFWふたりが3ゴールずつ、MFシルビーニョが2ゴール、MFロメロ・フランクが1ゴールと、様々な選手が得点できる力を示しつつある。レオナルドに決めさせることに、ほぼ特化した昨季とは、大きな違いだ。
一方で、再開初戦の前節・甲府戦は3失点、そして今節は5失点と、守備は混乱状態だ。攻守のバランスが大事だと、アルベルト監督はことあるごとに指摘する。現在のアンバランスさを修正するために、攻撃力を削いでまで守備に注力するアプローチは、おそらく取られないだろう。今の攻撃力に見合うレベルまで、いかに守備の質を高めるのか。スペイン人指揮官の手腕が注目される。
取材・文●大中祐二(フリーライター)
一方で、再開初戦の前節・甲府戦は3失点、そして今節は5失点と、守備は混乱状態だ。攻守のバランスが大事だと、アルベルト監督はことあるごとに指摘する。現在のアンバランスさを修正するために、攻撃力を削いでまで守備に注力するアプローチは、おそらく取られないだろう。今の攻撃力に見合うレベルまで、いかに守備の質を高めるのか。スペイン人指揮官の手腕が注目される。
取材・文●大中祐二(フリーライター)