アジアの企業がなぜこれだけプレミアリーグにお金を出せるのか
こうした現状に対して小山氏は「逆に言えば、香港や東南アジアの国々は、サッカーコンテンツにこれだけお金を払うパワー、土壌を持っていると言えます」との見解を示す。そうした見方を裏付けるように、プレミアリーグ各クラブのスポンサーシップに名を連ねるアジア企業も増加。胸スポンサーで言えば、全20クラブのうち10クラブがアジア地域(中東をのぞく)の企業で占められている。
「契約は年間数十億円という単位。アジアの企業がなぜこれだけプレミアリーグにお金を出せるかと言えば、やはり世界中で見られていて、世界中にファンがいるから。そこに魅力を感じているのでしょう。Jリーグも国内だけでなく、海外でも見られるとなれば、当然もっと海外の企業もつくかもしれませんし、国内でもナショナルクライアントと言われる企業がつく可能性はあると思います」
「契約は年間数十億円という単位。アジアの企業がなぜこれだけプレミアリーグにお金を出せるかと言えば、やはり世界中で見られていて、世界中にファンがいるから。そこに魅力を感じているのでしょう。Jリーグも国内だけでなく、海外でも見られるとなれば、当然もっと海外の企業もつくかもしれませんし、国内でもナショナルクライアントと言われる企業がつく可能性はあると思います」
こうして毎年多額のアジアマネーが欧州に流れる構図が出来上がっている。欧州のサッカーに大きな魅力がある以上、サッカー熱の高い地域の目が欧州に向くのは必然だが、アジアサッカーの発展を考えればこの欧州一極集中の現状に風穴を開けたいところ。「アジアのお金をアジアサッカーのために使っていくような仕組みづくりなどをJリーグが率先してやっていきたい」と小山氏。ここにアジア戦略が生まれたひとつの背景がある。
では、Jリーグはいかなる戦略を持ってアジア市場を開拓しようとしているのか。次回は「アジア戦略」の主たるマーケットと捉えるASEAN諸国との関係性について見ていきたい。
第2回に続く。次回は7月7日(火)に公開。
取材・文●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb)