工藤壮人（FW）
 
――ACLプレーオフが間近に迫って来ました。
 
「10日の練習試合（ブリオベッカ浦安戦）は、僕に限らず、チーム全員が手応えを掴んだゲームだと思います。次の火曜日の試合に向けて、良い緊張感の中で実戦を積めたので、有意義な時間というか、相手に対してどう戦っていくのか整理されてきた気がしますね。新しいサッカーへのチームとしてのまとまりも生まれてきたし、急ピッチの中でも中身の濃い、締まった練習ができていると思います。あとはそれを試合で見せるだけです」
 
――対戦相手がタイのチョンブリFCに決まりました。
 
「監督も『想定どおり』と言っていましたし、僕たちも実力的にそうかなとは思っていたところです。映像を見るのはこれからですが、前線に強力な選手がいる、ブラジル人がいるといった情報はあります。ただ、相手に合わせるのではなく、まずは自分たちのサッカー、キャンプでやって来たものを見せるのを大前提にやっていきたいですね」
 
――４-３-３の右ウイングでのプレーへの手応えは？
 
「右ウイング、CFと練習試合でも試されている部分はありますけど、やっている時間を見ると今のところ右が多いのかなと。これまでの右のワイドでの役割とはまた違い、今のフォーメーションでより重要な部分を任されているというのが、監督からの要求の高さからも伝わってきます。それをこなそうと必死にやっていますし、ドリブルで仕掛ける選手、個人で打開できる選手がいるなかで、右の僕のところで落ち着かせる、あるいは逆に僕がテンポを変えて、１タッチ２タッチでCFや中盤に当ててダイアゴナルに抜けていくような動きも出せているので、非常に手応えは感じています」
 
――吉田監督の言う「相手を壊しに行くサッカー」はどういった印象ですか？
 
「自分たちが主導権を持って攻撃していくと、相手が焦れてくるんですよね。前の選手は前からプレッシャーに行きたい。だけどボールを取りに行くと、そこでかわされて違うフリーの選手を見つけられる。相手が焦れて焦れてひとりふたりとプレッシャーを掛けてきて、チームがバラバラになっていくのを感じます。そこでズレてくれば自分も自然とフリーになるので、試合の中でフリーな選手をどんどん見つけて、その選手につけていくのは楽しみでもありますし、そこで回すだけじゃなく、そこから少しリスクを冒してでもどうやってゴール前のペナルティエリアの中に入っていくのか、そこらへんの心理戦は楽しいです」
 
――その中でゴールする形に関してはどのようなイメージを？
 
「相手の視線もサイドの方が真ん中よりも逸らせるし、そこからどうやってセンターやゴールに迫力を持って入って行けるのか、そういうところは頭の中で整理はできているので、しっかりと火曜日のピッチでそれを見せるだけです。しっかりとしたオーガナイズで戦えれば、問題ないと思っています。
 
　今は、練習試合、キャンプを通じて取り組んできた去年とはまた違ったサッカーを、あの緊張感のある日立台のピッチのなかで自分たちがどれだけ表現できるのか、ワクワクしています。今度の試合は『一発勝負』という緊張感はありますけど、レイソルの選手たちはそこでビビったりはしないし、それを楽しみながらできるくらいのチームになっていると思うので、どの選手が出てもサポートし合って、必ず良い結果が訪れると思うので楽しみにやりたいですね」
 
取材・文：小田智史（サッカーダイジェスト編集部）