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開幕戦で2発の新エース小川航基も「チームのために走り、考える」。J1復帰を狙う磐田に浸透してきた献身性

カテゴリ:Jリーグ

高橋のぶこ

2020年02月27日

「ゴール前で身体を張っているだけではなく、敵陣で規制がかかっている」

 2トップだけではなく、中盤、前線の選手たちの攻から守への切り替えの速さ、ボールを奪い返しにいくアグレッシブさは、開幕戦でよく見てとれたチームの好材料だ。それを支える走力も、特別な気合いが入るホーム初陣ということを差し引いてもレベルが高く、前半のペース掌握、勝利の一因となった。

 立ち上がりは山形の勢いに苦しんだが、攻勢に転じるきっかけとなったのも、果敢なボール奪取だった。6分、ルキアンが失ったボールを、その瞬間に猛然と前に出た山本がインターセプトで奪い返してそのまま持ち上がり、磐田デビュー戦ながら気の効いた位置取りとはっきりとした裏への動き出しで攻めを牽引した左サイドの大森にパス。そのままゴール前に侵入して大森の折り返しを受けてシュートを放つと、そこから攻撃のギアが一段上がり、磐田がペースを握った。

 ボールを失ったらすぐに奪い返す意識は、サイドチェンジを用いて相手を揺さぶる攻撃とともに、今季フベロ監督が、練習中に口を酸っぱくして繰り返すだけではなく、ミーティングでもグッドシーンを集めたビデオを選手たちに見せて徹底的に植えつけていること。ボール支配率を挙げ、チャンスシーンをより多く作るためだが、攻撃面だけではなく守備面にもたらす効果も大きい。

「切り替えの速さは、これくらいやらないといけないという共通意識ができていて、自然にできるようになってきていると思う」と小川大。「練習試合でも失点が少なかったのは、ゴール前で身体を張っているだけではなく、敵陣で規制がかかっていることもあると思う。前の選手の負担が増えるけど、相手にしたらボールを持ったところで敵がギアを上げてプレッシャーにくるというのはすごくやりにくいはず。そこからチャンスも生まれているし、守備で後ろも本当に助かっている」と言う。

 試合後半はややバテて、半ばまで山形の反撃を受けたが、「交代で誰が出てもすぐにボールを奪い返す意識を持ってやれるから、前半から出し惜しみせずに行きたいし、行ける」(小川大)ことも、チームの強み。

 昨季はまだ見えなかった力が垣間見えた開幕戦。勝点3を得ただけではなく、その内容からも、磐田はまずまずのスタートを切ったと言えるだろう。

取材・文●高橋のぶこ(フリーライター)
 
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