U-22代表候補の躍動が最大の収穫に
テストに徹した森保監督にとっての最大の収穫は、香港戦で見せたU-22代表候補選手たちのプレーだった。
一昨年の大怪我から苦しみ続けていた小川航基がシュート技術の高さを示したミドルシュートを決め、勢いに乗ってA代表デビュー戦でのハットトリックという快挙を達成。また、この試合でセンターバックの中心として堅実な守備を見せていた田中駿太は、後半の途中でボランチにポジションを上げると、チャレンジングなパスワークで攻撃を組み立ててそのポリバレント性を発揮した。
一昨年の大怪我から苦しみ続けていた小川航基がシュート技術の高さを示したミドルシュートを決め、勢いに乗ってA代表デビュー戦でのハットトリックという快挙を達成。また、この試合でセンターバックの中心として堅実な守備を見せていた田中駿太は、後半の途中でボランチにポジションを上げると、チャレンジングなパスワークで攻撃を組み立ててそのポリバレント性を発揮した。
田中碧は、橋本拳人の離脱によって韓国戦でもチャンスを得てフル出場。韓国の激しいプレッシャーに苦しみながらも相手の圧力をかわしながらゲームメークをこなしてみせた。Jリーグで「ベストヤングプレーヤー賞」を受賞した伸び盛りの21歳は、2019年最後の国際試合でしっかりとその存在感を示した。
ワールドカップ2次予選は格下の相手ばかり。また、親善試合では本当の厳しさは経験できない。そんな中で、韓国との真剣勝負は貴重な経験となった。E-1選手権をテストの場(トルシエ監督はそれを「ラボ」と呼んでいた)として活用した森保監督にとって韓国戦での最大の収穫は、実は「厳しい国際試合では通用しない選手」を見極められたことだったのではないだろうか。
取材・文●後藤健生(サッカージャーナリスト)